
夏休みにDC方式のRXをベースにしたCWのTRXを検討していましたが、飽きもせず、また別のDC方式RXをベースにしたCW TRXを作って見ました。
きっかけは、サイト巡りをしていて偶然見つけたJM6QALさんのサイトでの東芝製IC TA7310の無料頒布です。
10個で¥200というのもあったのですが、「TA7310Pでなにか作ろうセット」という、TA7310P 4個とまたしても7.108MHz XTALですが、2個が組み合わせられた無料を選びました。
当然のことながら、無料であるからには条件がついています。
条件は、氏のサイトをご覧頂ければわかりますが、何を作るかのアイデアを提案することと、実際に作ったら報告することです。
¥200ですから有料で入手してもいいのですが、死蔵する可能性があるので、自分に宿題を課して実際に何か作ってみようと無料を選択しました。
と、いう事で作ったのが、TA7310を使用したDC方式RXをベースにしたCW TRXです。いつものように京都のお寺の名前をつけて「浄楽}としました。
今回のTRXもコンセプトを決めました。
(1) TA7310の機能は全部使用する
(2) マイクロインダクタを使用してコイルは巻かない
(3) 受信部には、CW用の何らかのフィルタを挿入する
(4) 送信部は、0.5W以上とする
(5) 実用性を考えてVXOとして適当な可変範囲をとる
(6) 受信時のビート分の周波数シフトを自動的に行う
結果は次の通りです。
(1) TA7310のOSC部をVXOとして送受信で兼用しました。
送信部用には、3Pinのバッファ出力を使用しました。
Mixer部は、そのまま使用しましたが、問題は、AMP部です。
Mix後のAFアンプとして使用する案、送信部のバッファアンプ
として使用する案(これは、結構な出力が得られそうですが)
受信部のRFアンプとして使用する案を考えました。
TA7310でどのくらいのゲインがとれるのがよくわからなかった
ので、AF部でゲインを稼ぎたいのですが、上げすぎると発振の
可能性もあり、強入力の混信が当然心配されるのですが、夏
の実験で効果のあったアッテネータを挿入すれば実用レベルで
使えるだろうと、今回はアンプ部は受信部のRFアンプとして使
用することにしました。
その代わり、入力のフィルタには2ポールタイプのフィルタを
挿入しています。
アッテネータは、単なるVRとせず、SWRは2以下になるような回
路構成として、30dBくらいまでの減衰量を確保しました。
(2) コイルは全て手持ちのマイクロインダクタを使用しました。
受信部のフィルタの共振点はコンデンサを付け替えて調整しま
した。
(3) AFのCWフィルタとして、夏の実験では、TTT/加藤さんのシミュ
レーテッドインダクタを使用しましたが、ここでは、回路を簡
単にするために、AFPowerアンプとして使用したおなじみの
LM386の帰還回路にLC(30mHと1.5uF:750Hz)の共振回路を入
れました。いい按配に動作しています。
(4) FinalのTRに2SC2053を使用し、9Vで0.5Wが確保できました。
13Vで1W弱です。
(5) セットで入手した7.108MHzを使用すべきでしょうが、QSOの
チャンスを考えて、まず7.030MHzを2個並列で使用して、約
25KHzの可変範囲が得られました(7.000MHz〜7.025MHz)
(6) ここはだいぶ苦戦しました。事前検討を行わず、えいやっと、
回路を決めて基板にしてから、検討しました。
結局スーパー用の2連ポリバリコン使用し、シフト用の方には
小容量のコンデンサを直列に入れて、主側の容量変化に対応
してシフト側の小容量も並行に変化するようにしました。
バリコンについているトリマも調整に加えて、カットアンドト
ライで、上記VXOの範囲で600Hz〜900HZのシフト量が確保でき
ました。(周波数により、シフト量が違いますが)
シフトの上下切り替えもつけて、混信の具合で、アッパー、ロ
ワーのどちらのサイドを使うか選べるようにもしました。
受信のチューニング時に注意が必要ですが。
外ケースはありませんが、いつもの基板ケースを作って入れてみました。¥100マイコンのATTiny2313を使用して、エレキーとサイドトーン、周波数シフト制御、ミュート等も行っています。
ひとつ課題は、バリコンのコモンがグランドから浮いているのでチューニングの時に手の影響を少し受けており、つまみから手を離すと少しですが周波数が変化します。(実用的には問題ない範囲とは思いますが)
今回は、TA7310を使用しましたが、TA7320(だったかな?)、TA7358などもそのままとは行かないでしょうが、使えると思います。
本当は、DSBのTRXをと考えたのですが、キャリアサプレッションが調整を入れても20dBちょっとしか取れなかったので、とりあえずCW用を作ってみました。
作った感想としては、十分実用範囲のTRXに仕上がったと考えて降ります(自己満足:笑)


アンテナ入力から、RFアンプの出力までの周波数特性
(Thanks for JR3KBU)

全体回路図