2022年01月28日

145/435 クロスヤギウダ性能評価

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昨年、JK1LSE OM殿の設計監修にて145 4エレ、435 8エレのヤギウダアンテナを作成し、その性能評価を行い、実際には、Pocke ELETATOR(仰角付きローテーター)の試作品に搭載して初心者ながら衛星通信を楽しんでおりました。

http://blog.toshnet.com/article/189101335.html
http://blog.toshnet.com/article/189143723.html

そうした中で、Pocke TATOR(方向角のみ)にクロスヤギウダアンテナを、仰角15度〜20度に固定して搭載して楽しんでおられる方もいらっしゃり(JK1LSE OMも屋根裏設置は同じ設定)、前回も4エレ、8エレで実験はしたものの、実際の設置には1mというブーム長の制限で設置しにくいという問題もあったので、1mブーム長の制約の中で設置しやすい、かつ軽量なクロスヤギウダアンテナを作ってみることにしました。
今回も設計監修は、JK1LSE OMにお願いしました。

結論から言うと、設計値としては、145 3エレは前回の4エレよりも若干(約1dB弱 利得アップ)良くなり、435 6エレは前回の8エレとほぼ同等の性能が得られました。
下図上段が今回の145 3エレ、435 6エレのシミュレーション値、下段が前回の145 4エレ、435 8エレのシミュレーション値です。

145_3ele特性.jpg   435_6ele特性.jpg

MMANA144.jpg   MMANA433.jpg

前回の評価では、シミュレーション値との比較において利得はほぼ同等、パターン図は測定環境の影響もありながら傾向は取れていたのかな?というのが結論でした。
今回も同様な結果が得られているであろうとの期待をしながら、実際にどのような性能が得られたのか、前回同様にパターンと利得の相対比較(ダイヤモンド製5エレ、10エレ)を行ってみました。

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測定の様子。

下図は左が今回の145 3エレ、右がダイヤモンド製5エレです。
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なんと、今回はダイヤモンド製5エレとの比較で2dBの利得アップとなっています。
(パターン図は0dBで正規化)
前回は、ほぼ同じ性能値(シミュレーション値とカタログ値)で同じ相対結果でしたが、今回シミュレーション値約1dBアップに対して2dB良い結果となりました。(つまり4エレより良い)
パターン図ですが、今回はFB比がかなり悪くなっています。特にダイヤモンド製は4dBしか取れていません。(前回も10dB程度ではありましたが)
今回製作の3エレも10dBと前回の約20dBに対して悪化しています。
この要因として考えられるのは、マストの影響です。前回は、マストの影響を考慮してマストからブームを張り出して、そこにアンテナを固定測定したのですが、実際の仕様を考えマストにほぼ直結する形で固定して測定しました。おそらくこの影響が出ているものと思われます。
(実際には、145MHzは水平にして使用するので本当は水平偏波で測定すべだったかもしれません)

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次の図は、435MHzです。こちらは、ダイヤモンド製と同じ利得となっています。
前回の比較では、8エレが約-1dBでしたので、6エレの方が1dBアップしたことになります。
パターン図は前回と同様の傾向が得られたかなと思います。435はエレメントが短く、マストにかぶらないので影響が出にくかったのではないかと思っています。

今回の測定は、ダイヤモンド製はそれぞれ独立した状態、自作の方はクロスに実装した状態で145・435で水平垂直を設置しなおして測定しました(測定はどちらも垂直)。
理由は、クロスした状態での互いの影響を加味した性能を見たかったからです。

結論として、前回の4エレ(145)、8エレ(435)に対して、今回は3エレ(145)で2dBアップ、6エレ(435)で1dBアップの性能となりました。
重量も、マストクランプ(15度/20度傾斜付き)を含めて、実測350gときわめて軽量に作ることができました。
めでたしめでたしです。
当局の環境における測定もほぼ再現性が取れているかなと!実感することもできました。
4エレ、8エレより、3エレ、6エレの方が良い利得となった結果については、ブーム長1mという制約の中での設計が難しかったということではないかと感じております。
それぞれ単独での性能は、測定しませんでしたが、前回の結果からほぼ同等であると思っております。

実際の衛星通信での使用においても、仰角固定であることから天頂通過時は厳しいものがありますが、概ね快調に動作してくれているかなと感じております。

posted by ja6irk at 14:29| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2022年01月07日

Pocke DecoKeyer完成!

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年末にFRISKサイズのキーヤーPocke KeyerUにLCD表示ををつけ、結果的に外部マイコンも付加してCW解読機能も搭載した実験を行いましたが、注文していた基板、その他の部品も到着し、いつもの3Dプリンタによるケースも製作して、一応 CW解読機能付きK3NGソフト搭載キーヤーが形になりました。
名前は、デコーダー付きキーヤーと言うことで、
Pocke DecoKeyer にしました。

実験途中の様子は以下の記事です。

http://blog.toshnet.com/article/189219626.html

キーヤーの基本機能としては、Pocke KeyerUと同じでK3NGキーヤーがベースですが、大きく変わったのは、

@ Goertzelアルゴリズムによる OH1JHM OM作成の
  解読ソフトを搭載
A LCD表示器を搭載
(CW解読のみならずK3NGキーヤー操作での機能表示を含む)
B キーヤー出力は、2系統搭載(いずれかの選択が可能)
C キーヤー出力、CW解読のための音声入力部は接続リグとの
  アースを分離絶縁
D CW解読用にマイクも搭載
 (ミニジャック挿入で外部入力に切替)
E スラント型ケースでLCDの視認性、ボタンの操作性をアップ
 (苦肉の構造ですが)
F スリープ機能は非搭載
 (これはデグレードです)

大きさもFRISKサイズのPocke KeyerUとの比較においてもコンパクトに仕上がったかな?!と思っています。

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プログラムメモリー量の関係で、スリープ機能が入らなかったのでが残念ですが、その分電池は単4型を搭載するようにしたので少しは持つかと思っています。消費電流は、約10mA〜12mAですので消し忘れは禁物です。
一応消し忘れ防止用に、電源ON時のLED表示も付けました。
(これも余計な電流を消費しますが)
現在、電源ONしっぱなしで何日(何時間!)持つのかテスト中です。
CW解読機能は、先日の記事にも書きましたが、完璧はないです。
しかし、PCでのタイプCWやエレキーでの信号はノイズの中でも比較的的確にデコードできています。
バグキーとか、縦振電鍵のような長短点差の大きいもの、揺らぎのある信号はとたんにデコード率が下がるようです。
人間の耳では、解読できるのですがね!(当局の耳より優秀ですが)
キーヤーのおまけとして補助的についていると思えば、いいのではないかと思いますし、送信の練習用には最適ではないかと思います。
関西から関東に出てきて約9年が経過し(一次2年間の大阪単身も含む)、タイミング的にデジタルが流行りだし、ほとんどがデジタルモードでの運用に変わってしまい、CWの運用が殆どなくなって受信力が大幅に低下してしまっておりますが、これを機にまたCW運用に少しは励もうかと考えております。

素晴らしいキーヤーソフトを開発された、K3NG OM そして解読ソフトを開発された OH1JHM OMに感謝申し上げます。

※ と、記事を書いてるうちに電池が消耗しました。つけっぱなしで時々出力して、約32時間でした。
 使用した電池は、USBで充電できる単四型1.5Vのリチウムイオン電池です。元がおそらく3.7Vからの降圧ですから、消耗までずっと3Vを維持してくれますが、消耗すると突然電圧が下がる仕様です。
 この電池の仕様の詳細は別として、容量は550mWhとなっていますので、1.5Vだと約360mAh、12mAの消費だと計算上は30.5時間ということになりほぼ電池の持つ仕様通りの寿命と言うことになります。
 この時間を長いと考えるか短いと考えるかですが、当局的にはこんなものかと思っております。
 アルカリ電池だともう少し容量の大きいものもあるようですが、初期電圧に対して、使い始めると急激に電圧が下がるようなので、回路的に定電圧化しないで使用していて、LCDのコントラストは早い時間に悪くなるのではないかと危惧しています。
 そこで最近見つけたUSBで充電できる単4型のリチウムイオン電池を使ってみました。
 消耗したと気づいた2時間ほど前までは、表示のコントラストに問題がなく3Vは維持していました。コントラストがなくなって気づいたのですが、その時の電圧は2.6Vくらいでした。
 1本約550円と高いのですが。仕様上は1200回くらいまで充電できるとあり、半分だとしても1本1円相当になるので結果的にはとても安いかと!勝手に考えています。

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こんな感じで充電します。通常のUSB電源が使えるのとType-CのUSBケーブルが使えるのが便利です。
蛇足でした。

posted by ja6irk at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2022年01月01日

今年最初の作品(Pocke SatDial)

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大晦日にエッチングして基板を作った衛星通信用リグコントローラー操作用マウスの代替えダイヤルアダプターですが、昨晩のうちに何とかケースのプロト1までできたものの、やはり問題が多く、正月早々ではありましたが、駅伝を見ながらプロト2を作ってみました。
昨晩は、ダイヤルノブに手持ちのものを使用していましたが、今日はこれも3Dプリンタで製作しました。
結果は上々で、特にダイヤルノブはこれまでに作ったものの中で最も良い出来となりました。
ケースとしても、プロト1より、5mmほど薄くなり、裏蓋も製作して、コンパクトな完成品となりました。

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電源はUSBケーブル経由でPCからとれるので必要なく、マイコンボードにXiaoを使用したのでPCとはType-CのUSBケーブルでの接続となります。

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大きさのイメージは、FRISKサイズキーヤーとの比較が左、手のひらに乗せたのが右です。
ダイヤルノブの直径は40mmです。

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ケースは、手持ちのフィラメントがこれしかなかったのでオールグリーンの愛想のない配色ですが、これはこれで良しとします。
短期間で思った以上のものができて、自画自賛です。
今年は、良いスタートができました。

posted by ja6irk at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

謹賀新年!

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posted by ja6irk at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew