2015年03月22日

FT-817用 世羅多フィルタ製作

DSC00994.jpg 

先日、ネットサーフィンしていたらiCOMさんのHPで冨川OMが寄稿されている製作記事BEACONの中にセラミック発振子の周波数を変える記事を見つけました。このときひらめいたのは、周波数を変えたセラミック発振子を5素子、6素子と作れば中心周波数455KHzの世羅多フィルタができるのではないかということです。
 世羅多フィルタはJA9TTT加藤さんによるラジオ用セラミック発振子を用いたフィルタですが、出来上がったフィルタは、中心周波数が発振子の周波数より低くなってしまいます(おおよそ10KHz程度)。
自作のTRXなどに使用する場合は、これでも問題はないのですが(局発の周波数を対応すればいいから)、メーカー製のTRX等では、中心周波数が455KHzものが必要となってきます。
 当局も、FT-817の中古が安くなったので入手していたのですが、CW用のフィルタは本体の入手金額の半分以上の14000円程度もするので、購入していませんでした。世羅多フィルタを使用したQRP TRXは自作機があったから、まあいいかといった感じです。
 http://blog.toshnet.com/article/5109739.html

 しかし、上記記事を見つけ、作ってみたくなり検討から始め、そこそこに良い感じにできましたので紹介します。

 セラミック発振子として使用したのは、以前共同購入で大量に入手していた中華製のCRB455というものです。今でも、100個 送料無料で9$程度で売っているようです。
 記事に従って、セラミック発振子の中を開き、四隅を削って共振周波数があがるのを確認し、まず1素子のフィルタ回路を作って、加工したものが455KHzにできるだけ近づくように少しずつ削ってゆきました。
削りすぎると周波数が高くなり、元には戻せないので不良品となります。従って、周波数を見ながら少しずつ削ってゆきます。

DSC00977.jpg
発振子のケースをニッパでむしりとった
DSC00978.jpg
わきも同様
DSC00979.jpg

DSC00981.jpg
発振子が電極にサンドイッチ状に入れてある
DSC00983.jpg 
右が削る前、左が削ったもの
DSC00984.jpg
削る前の共振周波数
DSC00986.jpg
削ってゆく途中の共振周波数
DSC00987.jpg
完成した共振周波数(スペアナの表示は違っているが、正しく455kHz)
DSC00993.jpg
フィルタとして構成した時の共振点の特性(山なり)

 勿論、全く同じ455KHzものが作れる筈もありませんが、大体±100Hzに合わせ込みました。5素子ほど作ったところで、世羅多フィルタを構成し、ちゃんと455KHzになっているか確認します。センターは50Hz程度ずれていましたが、まあ使えるだろうとそのまま進めました。
 このフィルタは-3dB帯域を5,600Hz程度を目標にしましたので、入出力インピーダンスが35Ω程度となっており、FT-817に実装するには2KΩにインピーダンス変換する必要があります。ここは、JA9TTT加藤さんの設計を参考に手巻きで7mm角コイルの変換器を作りました。しかし、」挿入損失が-17dB程度あり、フィルタのOn/Offでかなりの音量差が出ていました。3素子で我慢できるかな?といったところでした。コイルを巻きなおしたり色々やって見ましたがうまくいかず、FT-817の本体基板から電源を取ることを前提に、FETアンプを挿入することにしました。これも、加藤さんのSR-7用に設計されたものを参考にしました。

DSC00995.jpg
アンプを入れる前
DSC00996.jpg
実装した時の様子(これで十分実用的)

 どうせアンプ入れるならとフィルタを6素子にし、基板も作ってみました。最初は、蛇の目基板での実験でしたが、結果として、蛇の目基板でも再現性に変わりはないようです。
 結果としては、非常に良い感じのものができました。INRAD等の良いフィルタと比較にはならないのかもしれませんが当局的には、大満足です。以前に仕入れた 安い発振子と、分けていただいていたコイルボビンと線、手持ちのコンデンサ、FETなどを使用しましたので、今回の製作に掛かった費用はゼロでした。
ゼロから集めても2000円はしないと思います。

 FETアンプの電源は、オプションフィルタ用の端子からは取れないので、結果としてスピーカコネクタのすぐ横にあるAFアンプ用のICの端子に半田付けして取りました。(Pinピッチが一番広くて取りやすかったから)

 このフィルタを製作するには、周波数特性を測るFRMSやスペアナ(トラゼネ付き)が必要です。また、中心周波数が重要ですので、10Hz程度以上の精度のある安定した周波数カウンタか基準信号が必要になります。100Hzズレて製作したら何を作っているかわからなくなるのではないかと思います。
 昨年は、周波数高精度病になり、RbOSCやGPSカウンタ等を入手、また作っていましたので役に立てることができました。
 また、基板本体から半田付けで電源を取りますので、もし、まねをされるのであれば自己責任でお願いします。

DSC01016.jpg
基板化したフィルタ

FT-817世羅多フィルタ20150321.BMP
回路図
DSC01010.jpg
実装した様子(上に飛び出している)

フィルタの切れ具合と聴感が聞けます。

 しかし、とても残念なことに、蛇の目基板では裏返しに製作し蓋ができたのですが、基板化する時に裏返しに作ることを忘れてしまい、蓋が閉められない構造になってしまいました。工夫をするか、もう一回基板の作り直しです(トホホ)

追伸:使用したセラミック発振子は、封を開けて削って使用していますので、経年変化に対しては全く考慮されていません。物理的に機械共振だと思うので大丈夫だとは思いますが、湿気や温度での性能変化は?です。


posted by ja6irk at 19:28| Comment(2) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew
この記事へのコメント
岩永さん、こんにちは。
旨くできるものですねえ! 昔々のFT-243型水晶をエッチングしてフィルタ用に合わせ込むと言う話を思い出してしまいました。hi hi
幾分損失が大きめなのは、削ったことによる変形にあるのかもしれません。私もあとで調べてみようと思います。等価回路を導き出せば前後の比較ができるでしょう。
FETのアンプで補える範囲のようですから、まあそれが一番手っ取り早そうですね。 VY-FBな製作だと思います。

もし可能でしたら、防湿処理はしておく方が良いと思います。 蒸着の電極は薄いので徐々に酸化が進むでしょう。特性変化があるとせっかくの周波数合わせが無駄になるので防湿処理した方が良いと思われます。ケースのつなぎ目と引出し部分をエポキシでコートする程度でも効果的かと思います。お試しください。
Posted by JA9TTT加藤 at 2015年03月23日 08:00
TTT加藤さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
原型の発振素子には、両端にくぼみがあり、これが最終的な周波数調整したくぼみかもしれないかと思ったりしています。
よって、4辺を削るのではなく、このくぼみをもう少し削ったらどうなるかも検討してみたいと思っています。
最終的には防湿処理が必要そうですね!
Posted by jn3xby 岩永 at 2015年03月24日 22:05
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/115531511

この記事へのトラックバック