製作したGPSDOが2段重ねになっていますが、上の方が今回製作したものです。下は、先月報告した(2)GPSDO Morion OCXO カウンタ方式になります。ケースのデザインは殆ど一緒にしました。
トラ技掲載の加藤さんのGPSDOにはマイコンは搭載されていませんが、当局は一昨年製作していたものをばらして流用しました。GPSモジュールからの時刻情報などのデータを読み込んで表示させようとの魂胆ですが、まだS/Wは完成していません。
今回製作した本体の前景です。
内部構造です。OCXOには5MHzのMTI製を使用しました。これは、SCカット(安定度が高いと言われている)のXTALが使用されており、ebayでも3000円しない価格で販売されています。HP製のGPSDOにも採用されているとの情報があって使ってみました。
5MHz出力ですので、このままでも良かったのですが、他の10MHzと合わせるために2逓倍回路を挿入しています。
逓倍回路は、「トロイダルコア活用百科」に掲載されているダイオード両波整流方式を採用しました。その後BPFとしてaitendoで販売されている10.7MHzのコイルを2つ使用したものを挿入して10MHzの正弦波を作っています。
この10MHzの信号を分配する分配回路は、記事掲載のものを使わさせて貰っています。当局は3分配としました。
10MHzの信号をPLLの比較信号として10KHzに分周する回路は、原型は74LS390が使用されていますが、当局はAVRマイコンATTiny2313のH/W分周回路を利用し、1個のICで作りました。(回路の簡素化です)
周波数カウンタでのカウントの様子です。
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30秒間測定の変動の様子です。これまでに作った他のGPSDOと比較してほぼ同じようになっています。
MDAで測定した変動の分布です。σで1.53mHzと優秀です。中心周波数も61μHzのずれしかありません。
比較周波数10KHzのPLL方式ですので、OCXOが十分にエージングされていれば短時間で中心周波数に収束しています。
出力信号の波形です。綺麗な正弦波になっています。無負荷ですので3.2Vp-pとなっていますが、50Ω負荷でも半分の1.6Vp-pが出力できています。
追試と言っても、最も重要なOCXOに違ったものを使用したり、分周器にマイコンを使用したりと一部カスタマイズしていますが、記事にも詳細に書かれているポイントをしっかり抑えればルビジウム信号現にも劣らない高精度のGPS基準の信号源が再現できることがわかりました。
測定器と基準になる信号源がないと、作ったものが本当に高精度で動作しているのか不安になると思いますが、ポイント抑えれば同様な性能が得られるのではないかと思います。
年末の記事で紹介したように、XTAL、OSC、TCXOと比較すれば非常に安定した信号が得られ、中心周波数もGPS基準で得られていますので、通常の用途では十分な基準信号源になるかと思います。
このGPSDOの使用上の最大のポイントは、マイコンを使用していませんのでGPSアンテナはしっかりとGPS衛星を捕まえるように設置することだと思います。
安価で高感度のGPSモジュールも一時期在庫切れになっていましたが、直近では在庫もあるようです。
アナログ放送がなくなり、簡単に基準信号を入手することが難しくなりましたが、この方式はこれに変わるものとして使用できると思います。
「σで1.53mHz」とは、中々すごいですね。カウンターの動画でも、最後の桁が変化するだけです。あらためて、すごいです。
ちゃんとした回路設計と実装技術がないと出せない数値ですね。トラ技にも色々と実装技術が書いてあったので参考にしてみようと思います。
ところで、恥ずかしくて聞けなかったのですが、AVRのカウンタでは、簡単に1/10分周ができるのでしょうか。1/2の乗以外はどうやって作るのでしょうか。
今度会った時にでも教えて下さい。
なお、記事の回路図・図3に数値記載のミスがありました。 R1は100kでなく、100Ωです。 既に完成されていますので関係ないと思いますが、ご参考まで。拙Blogにも書いてあります。
昨晩からすごい雨風でしたね!アンテナは大丈夫だったでしょうか?
コメントありがとうございます。
OCXOの性能と、GPSのつかまり具合と、外部からのノイズ対策がポイントでしょうか?!
そこそこの藻が作れて喜んでいますよ!
せっかくMorionのOCXOを入手されていますので、折を見て作って見られたらよろしいかと思います。
マイコンでの分周器は出力がトグル動作です。
10MHzを1/2すると確か1/4の周波数が出力されます。よって1/10はできなかったような???
割り算して整数になる周波数しか使えませんので念のため(笑)
今度お会いするときまでに整理しておきますね!
コメントありがとうございます。
ポイントをしっかり説明された記事でしたし、結果のデータがありましたので、とても参考になりました。
位相比較器の出カップリング抵抗ですか!
記事上では気づきませんでした。
100と言う数字しか見ていないと思います。
100Kだと絶対動かないですね!
2年余り色々やってきましたが、今では常時4台もGPSDOが動いていると言うナンセンスな状況になっています(笑)
今のところ原信号にルビジウム信号源を使ったGPSDOが当局の神様になっています。