2016年11月06日

JT65 PCインターフェース

早いものでもう11月になってしまいました。
ついこの間まで暑い暑いと言っていたのですが、いきなり寒い毎日です。
BLOGへの投稿も2か月以上滞ってしまいました。
この間、WSPR用の6Bandアンテナの性能アップをやっていました。
雨対策や、HiPowerでのSWR変化への対応などです。残念ながら決定的な改善策までは至っていないのですが、運用から遠ざかっており、JT65での本格運用を開始しようと準備を始めました。
リグとしてはFT-817やIC-7100があり、IC-7100はUSBケーブル1本で運用できるのであえてI/Fを作る必要はないのですが、FT-817の活用の機会を上げようとI/Fを作ることにしました。
I/Fも以前作ったものがあったのですが、小型のものが欲しくなり、再製作することにしました。

I/Fの回路は最近発売になった「QRPハンドブック」に記載されている、JA9TTT 加藤さんのものをそのまま作ることにしました。
ただし、トランスは、aitendoで購入したものですが、記事で使用されているものとは違う型名のものを使用しました。理由は¥100/個と安くかつ少し小型だったからです。
USBシリアルインターフェースは、同じaitendoの店頭で¥39/個で販売されていたものをローカルさんより分けていただいたものを使用しました。

IMG_0982.JPG
使用した¥100/個で購入できるaitendo販売のトランスです。

IMG_0983.JPG
分けていただいた¥39/個のUSBシリアルI/Fです。小型に収納するためUSBコネクタは取り外しました。

IMG_0981.JPG
収納するケースです。蛇の目基板を合わせてカットしました。

IMG_0986.JPG
出来上がった基板です。蛇の目基板に手配線です。

IMG_0985.JPG
USBシリアルI/F基板の取り付けイメージです。リード線を半田付けして蛇の目基板に接続しています。

IMG_0987.JPG
先のケースに収納した状態です。

IMG_0988.JPG
大きさの比較のため006P(9V)の電池と並べてみました。

IMG_0990.JPG
蓋をした状態です。

この状態で、しばらく運用してみました。会長に動作しています。
たまたまコンディションが良かったようで、18MHzでいきなりスイスとQSOすることができました。

しかし、このI/F基板上のUSBシリアルI/F基板を見ていて、RTSの端子のみしか使用してなく、シリアルI/Fの機能であるTxD、RxDを使っていなくて、これを使用したらCAT制御ができるのではないかと思ってしまいまhした。
更にしかし、このまま接続したのでは、せっかくオーディオ系、PTT制御をトランスやフォトカプラを使ってアース分離した意味がありません。
やはり、TxD、RxDもアース分離すべきだ!と、CAT制御機能付きのPCインターフェースを作ることにしました。
今度はせっかく作るなら、基板化しようとパターン化してみました。
オーディオ系、PTT制御系はJA9TTT 加藤さんの回路をそのまま使用しています。
CAT制御は、TxD、RxDをフォトカプラで分離しました。
全体の回路は下記の通りです。

JT65 IF20170108.BMP
Rigの端子側はFT-817のピンアサインになっています。(回路図に間違があり修正しました:11/8)
(フォトカプラのピン番号が違っていたので修正しました:`17/1/8)

IMG_1018.jpg
生基板にブルーシートでパターンを転写した様子です。

IMG_1022.jpg
エッチングが終わり穴あけが済んだ基板です。

IMG_1019.jpg
実装が終わった基板です。

当局はメインのPCにMacBook Airを使用しており、MacOS上のWindousでは、マイク端子が使えないことがわかりました。よって、USBオーディオI/Fを介してオーディオ接続をするのですが、いっそのことと、USBオーディオI/F基板も JT65 PCインターフェース基板に載せてしまうことにしました。

IMG_1021.jpg
使用したUSBオーディオI/F基板です。購入したもののケースを取り除きました。

IMG_1020.jpg
基板の端子部分から信号を取り出すためのリード線を半田付けしました。

IMG_1023.jpg
ケースに実装した様子です。

IMG_1028.jpg
ケースの蓋をして、006P(9V)の電池と大きさを比較しています。

IMG_1029.jpg
昨日、aitendoに行ったのでもう一枚の基板を作るための部品を購入してきました。
トランスだけでなく、フォトカプラ、マイクジャック、ケースなどもaitendoで購入しています。

IMG_1030.jpg
実装した基板の裏側です。

IMG_1033.jpg
ケースに実装した様子です。

IMG_1034.jpg

IMG_1035.jpg

前後の穴あけも済ませました。まだ、ケーブルの穴はあけていませんが、この状態で、サブPC(こちらはオーディオ端子が出ていて使える)に接続して早速運用してみました。特にノイズの混入などもなく快調に動作しています。

JT65用のアプリは、JT65-HF HB9HQX EditionのJapaneseEditionというものを使用しています。
日本語対応は最近行われているようで最新版は2016年で、当局は3.5a Updateというものを使用しています。
なかなかすぐれものだと思います。
Windows10でも今のところ問題は見つけ切れていません。

CAT接続したことにより、Rig(FT-817)は電源さえ入れておけば、PCのアプリ側でバンドを切り替えればRig側のバンドは自動的に切り替わるのでRig本体を触ることなく、運用が可能です。
勿論本体側のダイヤルノブを回すとPC側の周波数表示が変わります。

CAT制御は、JT65のソフトだけでなく、WSPRアプリでも同様な運用が可能でした。
また、世に知られているRig制御アプリでも動作が確認できました。
CAT I/Fの自作もので、アース分離したものはあまり見かけなかったので自分で回路を検討して決めました。
問題点もあるかもしれませんか、個人的には何とか動いているようです。

CAT制御をするためには、2本のケーブルをRig側と接続する必要があるのですが1個作っておくと便利ではないかと思います。
なお、CAT制御した場合、PTT制御のRTS端子制御I/Fは必要ありません。RTS端子付きのUSBシリアルI/F基板は選択肢が少なく入手も気を付けなければならないのですが、RTS端子が不要だとほとんどのものが使用可能となります。
今回DTR端子を利用して、CWのキー端子の接続が可能なように回路を組み込みました。
おそらくCW関連のアプリソフトで使用可能だと思っています(試していませんが)

ここ約3週間くらいJT65での運用をしました。最初に比べて最近はコンディションが良くないのですが、最初のころのコンディションのお陰で約30局17エンティティとQSOできました。基本は5Wと2.4mしかない超短縮6Bandホイップアンテナです。

簡単なI/Fと、おそらく眠っていることの多いFT-817で、プアアンテナのアパマンハムでもQRPでDXが楽しめることがわかって喜んでいます。
あとアフリカさえとれればWACワークとなのですが。

<追加>
JT65用のアプリでJT65HF系はICOMのCI-Vをサポートしていないのですが、CAT−CI-Vコマンド変換をすれば制御できるのではないかと思ってサイト検索したら、ちゃんとありました。
Omni.Rigというものです。詳細は記載しませんが、興味のある方は検索されてください。
このお陰で、JT65-HF系のこの日本語対応アプリでIC-7100の制御を行うことができるようになりました。
機能的には片方向で、PTT制御ができるのと、Rig側で動かした周波数が表示されるだけですが(使い方を間違っているのかもしれませんが)実用的には問題ありません。インターフェースを必要とせずUSBケーブル1本で運用できるのが便利です。




posted by ja6irk at 17:47| Comment(10) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew
この記事へのコメント
岩永さん、こんばんは。 アイボールありがとうございました。
懇親会で拝見したJT-65-I/Fの製作ですね。
パソコンからFT-817をフルリモコンできるI/Fに興味津々でした。 FT-817は操作し難いのでパソコン側からリモコンで操作できると便利だと思います。 FT-817は階層メニューが覚えきれないのと、表示が見難いので使うのが厄介なリグです。hi hi
Posted by JA9TTT/1 加藤 at 2016年11月06日 18:27
JA9TTT 加藤さん、こんばんは。
早速コメントありがとうございます。
昨日は懇親会ありがとうございました。
PCインターフェース回路、そのまま採用させていただきました。快調に動作しております。
最初に作ったものは、FT-817で使うにはできるだけ小型のものをと思ったのですが、折角搭載したUSBシリアルI/FがPTTのみだともったいなく思えてきて、かと言って直接つないだらトランスやらフォトカプラは何なの?になってしまいますし、シリアル通信もフォトカプラで分離してみました。
副次的にCAのご利益が出てきた次第です。

今は、10インチのWindowsパッドに接続して試験しています。
こちらはMacと違い、表示はヘッドホンになっていますが、4極コネクタのようで、マイク機能もあり、ちゃんと動作しています。
しばらくこれで運用してみます。
移動運用することはないと思いますが、FT-817とコンパクトシステムが構築できています。

Posted by ja6irk 岩永 at 2016年11月06日 21:15
OM初めまして。 JH2KMK 田中と申します 

FT-817のデジタルモードのインターフェイスをどうしようかと思い、OMの情報にたどり着きました。 公開されておられる回路図を参考に自作してみましたが、ばっちりです。 どうもありがとうございました。 ただ回路図のTxD用のフォトカップラ、ピンアサインは間違えておられませんか? 1,2と3,4がそれぞれ逆だと思います。 
Posted by JH2KMK at 2017年01月07日 18:48
JH2KMK 田中さん、こんにちは。
ご訪問、コメントありがとうございます。
掲載I/F、製作されたとのことありがとうございます。
無事に動いて何よりです。
フォトカプラの件、ご指摘ありがとうございます。
その通りですね! 回路上は間違っていないようですが、ピン番号のつけ方を間違っていますね!
基板上は、くるっと回して配置していて混同したようです。
申し訳ありません。
お空でお会いできるのを楽しみにしております。
(当局は珍局の部類に入りますが(笑))

Posted by JA6IRK/1 岩永 at 2017年01月08日 11:05
岩永さん、こんにちは。\(^o^)/
PSK31のIF基板回路参考になりました。
以前、タコス電気のTNC で、JAS-1/FO-20衛星FUJI
とPSKでつないだ時、無線機IC-375D(50W免許)
にブーンというようなハム音か,PCからのパルス性ノイズが載りました。
岩永さんI/F回路のようにトランスでノイズを切ることができる・・・そうだったんですねぇ。
回路図開示をありがとうございます。
\(^o^)/
Posted by N.Aoki at 2021年01月16日 20:13
Aokiさん、こんばんは。
ご無沙汰いたしております。
回路が参考になったとのこと、ありがとうございます。どこにでもある回路ですが。
しかし、メーカー製のTNCでも同様なことはやっているのではないかと思ったのですが。。。
音声信号はトランス、デジタル信号はフォトカプラで、一応アーズは分離できていますが、p留守上のノイズなどは飛びつきなどでスルーしてしまうこともあるかと思います。
また宜しくお願いいたします。

Posted by JA6IRK/1 岩永 at 2021年01月16日 22:34
岩永さん、Res.ありがとうございます。
岩永さんの回路図、実物説明として、RS-232C時代のRTS, DTR 信号の処理方法も具体的でなかなかこの情報は他には無いので助かります。
ICOMのCI-V I/Fは、以前はPTT ON/OFF commandが無く、Z80マイコンのカセットテレコの録音開始信号SW ONで、IC-375Dの送受信を動かしてました。(2004年)
最近のIC-7300は持ってないのですが、PTT ON/OFFが、CI-V コマンドにあるらしく、USB to UART Windows Driver をインストールするとパソコンからのUSBIF 上のCI-Vコマンドでできる感じです。
(おそらくFT-817はCAT使用IF? )
ネットを見ると、USB to UART Windows Driver について、秋月広告のFTDI社のUSB Bridge用ドライバと、Silicon Lab.のUSB Bridge用ドライバがあり、さらに無線機メーカでも機種毎対応としてUSB to UART Windows Driverが出ており、どれを使うのかよくわからないという、理解の混乱が起こっているのがわかりました。(1/15金夜)
FYI ーーーーー
JARLの説明書では、K1JT Mr.TailorさんのFT8ソフトの設定法は説明していますが、USB上のプロトコルはブラックボックス扱いです。
USB送受信データ中で、データ、CI-Vコマンド、PTT操作がどう制御されているかの情報が書かれていないです。
(JARLのFT8解説PDF文書のURLを省略)
ーーー
Silicon lab USB Driver windows10
CP210x USB - UART ブリッジ VCP ドライバ
https://jp.silabs.com/developers/usb-to-uart-bridge-vcp-drivers
...これをIC-7300用USBドライバと勘違いしている情報もありました。
あまり書くと混乱するかもしれないのでこんな感じでした。
Posted by N.Aoki at 2021年01月17日 17:00
岩永さん、続報です。
Macbook Pro + WSJT-X App. + IC-705
では、オーディオ・USB(仮想)ポートと
Data(仮想)ポートが、プラグアンドプレー/自動認識で動き、ドライバのインストール不要、USBケーブル一本、(I/F Boardなし)で動くそうです。
USB Type C の新モデルは、おそらく仮想ポート2個が動くと期待してます。
今まで使えてたDVD Driveは、ちょっとどうなのか不明です。
IC-705 50W モデルが出ると移動局免許も許可されるので便利かなと思います。
Posted by N.Aoki at 2021年02月05日 22:40
Aokiさん、こんにちは。
引き続きいろいろ情報ありがとうございます。
最近のI/FはUSBシリアル変換であることが多いのと、それに使用されるデバイスが数社しかないので、しかもドライバはWindowsが多くを対応しているので、いつの間にか動いていたというのが、当局の印象です。
CP21**系が比較的多くて、当局の場合すべてのリグに電源を入れると、どのリグがどのCOMナンバーなのか混乱することがあります。
HUBの接続場所を変えてしまうと変わってしまいますからね!
Posted by ja6irk/1 岩永 at 2021年02月08日 17:54
岩永さん、こんにちわ。
Res.ありがとうございます。
FT-817/818 用IF Box拝見しました。
便利に使いやすく考えられ、よくできているいると思います。
パソコンのヘッドセット・オーディオ端子の処理用と思われるUSB接続 TIのADC/DAC ICが、無線機内に実装されると、こうしたオーディオ信号のデジタル変・復調がパソコンからやりやすくなるのでは?と思ってるところです。

https://www.tij.co.jp/product/jp/PCM2901
https://nabe.adiary.jp/PCM2901_USB-DAC#k298p1

多分、Plug & Playの自動認識で動いてしまうのでは?と。(多分ですけど。)

CW信号(1値)をFFT/逆FFT処理すると、もっとカスカスの聞こえないような弱い電信も解読できるかな???と、just ideaですが。
Posted by N.Aoki at 2021年02月19日 20:59
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