2018年03月04日

50MHzSSBトランシーバ

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だいぶ暖かくなってきましたが、同時に花粉が舞うようになり鼻水と目のかゆみに悩まされる季節に突入してしまいました。
一方Eスポも期待される季節です。
当局が参加しているQRPクラブでは、60周年記念でJP60という21MHzDSBトランシーバをキット化しましたが、早くも次へ向けて今度は50MHzのSSBトランシーバはどうだろうかという意見が出てきました。
まずは、このクラブのOMさんで自作機を沢山作られていうJG3ADQさんのトランシーバをベースにDDS化してみたらどうかという意見がでました。
今すぐキット化とかの話ではないですし、いきなり仕様を決める話ではないのですが、当局的には次の自作を何にしようかと思っていたところであり、50MHzは作ったことがなかったのでとりあえず勝手に作ってみました。
最終的な仕様を決めてスタートしたわけではなく、基板が安く作れる10cm×10cmのサイズにどの程度の回路が入るか、回路図も完成させずに基板設計から始めました。

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何とか、マイコンと表示、操作部以外の回路は入りました。本体側は片面基板でエッチングして、マイコン、表示、操作部は蛇の目基板に手配線して完成したのが最初の写真です。

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大量に安く購入したアクリルの端材があるので、透明ですがケースも作ってみました。
回路構成は、受信部がRF 2SK241 MIX 2SK241 IF 2SK241×2 復調 1N60×4 AF 2SC1815+NJM386、送信部は、MICamp 2SC1815、変調 SA612、MIX SA612、RFamp 2SK241、Drive 2SC2851、Final 2SC2851です。
IFのXTALフィルタは12.8MHzの7素子です。
DDSには、Si5351を使用しましたが、出力が方形波なのでフィルタリングして簡単に波形成形しました。
マイコンは、安直にArduinoNanoを使用しています。ATMega328をそのまま使用してもよいのですが、ボード上にレギュレータが入っており、12V入力で5Vと3.3Vを出力でき電源構成を簡略化できました。
表示には、1.3インチのOLEDを使用してみました。昨年作った430MHz FMTRXコンパクトアンテナアナライザでは0.96"のOLEDを使用しましたが、表示は非常に奇麗なのですが、当局的には字が小さすぎて見にくいので、1.3"のものがあることを知り、今回使ってみました。
周波数の可変には24インクリメントのロータリーエンコーダーを4倍カウントで1回転96ステップで使用しています。これでも1ステップ10Hzとしたので50MHz帯域をカバーするには4000回転以上回さなければならず実用的ではありません。
こうした場合よく使われるのが、スイッチを使用して1回転 1kHz/100Hz/10Hzとかステップ周波数を切り替える方式です。
しかし、この方式は意外と不便です。

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メインダイヤル

実際に50MHzのOnAir状況をしばらくワッチしていると、多くの局が50.195MHzとか50.200MHzとかの5KHzステップ運用されているのに気づきました。
そこで今回は、ロータリーエンコーダーをもう1個使用して5KHzステップで可変する周波数サブダイヤルを付加しました。実際に使ってみるとなかなか便利です。
更に、まだ機能組み込みをしていませんが、このサブダイヤルをスイッチで切り替えてRITとしても使えるようにしたいと考えています。
現時点、完成版にはなっていませんが、一応QSOできるレベルまで仕上がりました。
送信出力は、現時点12Vで0.8W程度です。最初、ファイナルに2SC1971を使用して1.2Wほど出ていたのですが、現在では入手も難しいですし、入手できても非常に高価です。それで出力は下がりますが(ちゃんとチューニングすればもっと出るかも)、1個30円で一応現在も入手できる2SC2851を使用しました。
そろそろ、総通の変更申請ラッシュも落ち着いたでしょうから(デジタルモードの変更は簡略化されたとの情報も公開されています)、この自作機の変更申請も出して正式運用できるようにしたいと思います。

ところで、今回2個使用したロータリーエンコーダーですが、一般的には90度位相のずれた2相パルス出力のものですが、モノによっては同じプログラム(当局が作ったもの)で動かないものがあり難儀したことがあります。

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両方ともALPS製

中身を開けてみたのが下の写真です。

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パルスを出す構造が違うのがよくわかります。
しかし、同じプログラムで動かない理由は、この構造ではありません。
ものによって、位相差が非常に小さいものがあるということがわかりました。仕様書に記載されていたので不良ではないのですが、当局はタイマー割込みで回転を見ているのでこの場合は読み落としが発生することがわかりました。先に紹介した430MHz FM TRXを作った時にこの症状に遭遇し、プログラムをハードウェア外部割込みに変えました。それでもチャタリングが多いらしく若干不満足感が残りました。
この手のロータリーエンコーダーの入手先は、秋月とか最近ではaitendo(難儀したものはここからの入手品)とかからが多いのですが、アマチュアでも入手できるようになったとは言え、まだまだ品種が限られており選択肢があまりありません。
その他通販もありますが、サーボ制御用の本格的なもの(1000パルスとか)であったり、非常に高価だったり、自作機に使えそうなものはそう多くありません。
そうした中で、今回見つけたのは「RSコンポーネンツ」です。
ここは企業向けだと思っていたのですが、意外に廉価なものから品揃えが豊富でした。
ロータリエンコーダはこちらから閲覧・購入可能です
勿論、手の届かない高価なものもありますが、1個114円のものから150種類くらいがありました。
しかもALPS製です。サイズや軸の長さなど廉価で多くの選択肢があります。
当局的にはALPS製は、タイマー割込みで問題が出たことはありませんので安心して使えます。
他の部品はまだよく見ていないのですが、意外と使える通販の一つかと思いました。
最近の製品は、マイコンで制御されていてロータリーエンコーダーの使用機会が増えてきていると感じていますので、価格と選択肢は重要なポイントだと思っています。

posted by ja6irk at 16:45| Comment(2) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew
この記事へのコメント
昨日はお疲れさまでした。久々の楽しい時間を過ごしました。

ロータリーエンコーダ、そうだったんですね。あまり気にしたことはありませんでした。小型に組んだものはクリックありで等倍速?で使っていました。クリックなしの4倍速で使うときは、秋月製の外観が多きい物を使っていました。これだと問題は感じられませんでした。

話は変わりますが、昨日借りてきた1200MHzハンドブックを眺めていたら、以前いただいた半導体が沢山使われていました。今更ながら、素晴らしいセットをありがとうございました。よくわからなかったので、猫に小判状態でしたhi
ハンドブックを眺めていたら、何か作れそうな気がしてきました。お宝を死蔵させないように頑張ります!
Posted by JK1LSE at 2018年03月04日 17:16
LSE 本田さん、こんにちは。
速攻でのコメントありがとうございます。


昨日はお疲れさまでした。
矢部さんもキャビティクリコンを持参されたりで、いつの間にか1.2GHzの集まりの様相でしたね!
デバイスは是非1Wアンプを実現ください。
その後当局も真似して頑張ります。

今日は風が強かったですね!
先日いただいた情報で取り合ず11エレができました。日曜日はOnAirの局も多いです。ワッチだけですが。

この50MHzのTRXは昨日アイボールQSOやり損ねましたが、結果的に小島さんの方のRXが調子悪かったようです。当局ももう少し追い込みが必要ですが。

ロータリーエンコーダーは、秋月のALPS製を最初に使ってプログラムを組んでいるのでいつもそれの使いまわしなのですが、430のTRXでaitendoの中華製小型のものを使用したら全く動かず色々調べたら、位相差がほとんどなく難儀しました。
ストレージオシロで確認すれば一応位相差があるので、何とかなんると思って頑張りました。チャタも多くて大変でしたが。
秋月は2種類くらいしかありませんが、RSコンポーネンツは、軸長の選択肢があったり値段も意外と安かったりと、穴場かもしれません。


Posted by ja6rk/1 岩永 at 2018年03月04日 17:38
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