2012年07月08日

中華製V/UハンディTRX UV-5R

DSC03252.jpg

昨今は、中華製リグが安価で巷では話題になっているようです。
国内でも輸入して販売している所や、ヤフオクでも取引されて
いるようです。
ローカルさんから、UV-3Rという小型のV/Uデュアルハンディ
TRXを紹介いただき、ネットで調べていたら、その上の機種
(テンキーが付いている)UV-5Rというのを見つけました。
メモリーの設定などに、PC接続用のUSBアダプタもあり、両方
合わせても$60ほど(送料込み)でしたので購入してみました。
現在の為替レートで約4800円強でした。

DSC03234.jpg  DSC03237.jpg

これらのTRXは、変復調にDSPが使用されていて非常にシンプル
な回路構成になっています。回路図もネット上が入手することが
出来ます。
おまけにFMラジオも受信することが出来、これもUV-5Rの場合には
日本周波数に対応しています。意外と音がいいのは驚きでした。

DSC03238.jpg
左がUV-5R、中が昨年ハムフェアで購入したNKT-R3、右はIC-2S

問題は、周波数レンジが、VHF136-174MHz、UHF400-480MHzで
日本のアマチュアバンド範囲を超える送受信が出来ること、
スプリアス特性が、新基準を満足していないことで、このまま
ではTSSの保証認定が取れないことです。
UV-3Rのほうは、発売されて時間が経っていることもあり、色々と
対策が、ネット上で見られますが、UV-5Rは、見つけることが出来
ませんでした。
興味本位で購入したTRXですので、実際に使用することは無いと
思われますが、できれば変更申請していつでも使用できる状態に
できたらと、周波数レンジのハムバンドへの固定と、スプリアス
対策を実行してみました。

<周波数レンジの制限>
ネット上から、UV-5R Series Program Software(VIP Customer Version)というのを見つけました。
これは、下記のように、周波数範囲の設定が可能です。
これで、日本のハムバンド設定を行いました。
ただし、この状態でも、チャンネルメモリーは範囲外の設定も出来ますのでメモリーチャンネルの周波数もあらかじめハムバンド内のみを設定しておきます。

UV-5R Controller1.JPG  UV-5R Controller2.JPG

これで、TSSの認定がえられるかどうかわかりませんが、周波数範囲の変更には、PCと専用のケーブルとソフトウェアが必要で、あらかじめ設定することで、ハンディ機のみでの通常の使用では、オフバンドする可能性は無いことを説明できると思っております。

<スプリアス対策>
次は、スプリアス対策です。
TRXの中身をいじり始めたら、迷宮入りし、壊してしまうことも考えられる
ため、本体とアンテナの間に、フィルタを途中挿入することを考えました。
一般的には、3次高調波が強く、144MHzでは430MHz帯がこれに相当するため一つのフィルタで2バンド対応は不可能であろうと想定して、各周波数毎にフィルタを入れ替える方式にしました。
フィルタは2段定K型LPFとしました。
TRXとアンテナに使用されているSMAコネクタは、秋月から4個¥300で売っているものを使用しました。ただし、UV-5Rに付属のアンテナはSMAメスで、秋月のSMAコネクタもメスしか売っていなかったので、別のアンテナを接続することにしました。

DSC03243.jpg
基板への半田付けのため芯線側の樹脂をカット

以下、フィルタ基板と、TRXへの装着の様子、フィルタの特性と有り無しでのスプリアスの減衰の様子を記載しています。

DSC03244.jpg  DSC03245.jpg

DSC03249.jpg  DSC03251.jpg

オリジナルでは、-40dBc強のスプリアス特性しか得られていませんが、フィルタ挿入後は、楽に-60dBc強のスプリアス特性が得られました。
課題は、430MHzの挿入損失が大きいことです。-0.97dBもあります。
最初に実験で作った時は、0.4dB程度でしたので、また、そのうちチャレンジしたいと思います。

UV-5R_144Filter.JPG

UV-5R_144Filter_OFF.JPG  UV-5R_144Filter_ON.JPG

UV-5R_430Filter2.JPG

UV-5R_430Filter2_OFF.JPG  UV-5R_430Filter2_ON.JPG

フィルタの帯域特性で、周波数の高い方でピークがありますが、減衰特性には影響ありませんでした。基板パターンの影響があるのだと思います。

まだ、ケースに入っていませんが、お菓子のケースが使えそうなので、こちらもそのうちケーシングしたいと思います。
特性は満足しましたが、バンドによってフィルタを取り替える方法で、TSSが認定してくれるかは?です。
5000円弱で購入した製品に、3000円の認定料を払ってまで申請するかはこれから考えます。

DSC03254.jpg

ワールドワイドチャージャーやアダプタ、イヤホンマイクまで付いていてこの値段は魅力的です。昔なら、連絡用に売れたのでしょうが、最近は携帯を使用する場合が多いので用途的には限られるのかもしれません。技術的興味は多くありますが。




posted by ja6irk at 17:12| Comment(6) | TrackBack(0) | 徒然なるままに
この記事へのコメント
おはようございます。
当方免許はまだ無く聞く専門で
UV-5RAを購入しましたが
144.580を聴きたいのですが、
任意選択しても144.575などになり
144.580で止まらす設定ができません。
原因や設定の仕方などわかれば
教えて頂き立ち寄りました。
是非良きアドバイスをお願い致します。
Posted by ミツバチ at 2014年12月18日 07:59
ミツバチさん、こんばんは。
UV-5RAを購入されたということでFBですね!
このところ、ぜんぜん使っていなかったのですが、引っ張り出してきて、検討してみました。
受信状態でMENUボタンを押してください。
次に、↑ボタンをSTEPがでるまで何回か押しください。
STEPがでたら、次にもう一回MENUを押します。これでSTEPを選択できるようになりますので、また↑ボタンを押して必要なSTEPになるようにします。
通常なら10KHzが良いでしょう。
おそらく現状は12.5KHzになっているのではないでしょうか?
STEPの設定できたら、右側のEXITボタンを押して完了です。
これでOKだと思いますが。
Posted by jn3xby 岩永 at 2014年12月18日 18:59
初めまして堀と申します

最近UV-5RAを買いまして知り合いと通話したのですが繋がらなくて、設定を教えてもらいたいのですが
Posted by 堀 信輔 at 2016年08月22日 21:46
堀様 こんばんは。
ご訪問ありがとうございます。
繋がらないとのことですが、状況がよくわかりません。
周波数は同じにされているのでしょうか?
近距離(目の前とか)で繋がらないのでしょうか?
ハンディの小さなアンテナですので、数Kmも離れたら繋がらない可能性はあると思いますが。
ご質問の回答になっていないかもしれませんが。
Posted by ja6irk 岩永 at 2016年08月23日 21:44
岩永さん
おはようございます。
UV-5R LPF検索していたらヒットしました。
昨日TSSに保証願を出したところ、ブロック図等々だけではなく、実測値の提出がいると言われてしまいました。
このRIGはWEB検索していて、スプリアスは-40-50dB程度だと思いますので、LPFを入れて実測をして再度し保証願を出してみたいと思っています。

そこで、手っ取り早く実績のある回路/定数を教えていただこうとメッセージを入れさせていただきました。(ほんとにあつかましいお願いですが教えてください!!)
Posted by 山口晶規 at 2019年09月10日 07:40
山口さん、こんにちは。
いつもお世話になってます。
TSSも厳しくなっているようですね!
以前は、バンド帯域での周波数制限方法が厳しかったのですが。
使用した回路、価などについては、別途メールでお送りした通りです。
うまくいくといいですね!
Posted by ja6irk 岩永 at 2019年09月12日 18:33
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