2016年07月18日

WSPR運用準備 アフリカまで飛んだ!

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 昔のコールサインであるJA6IRKの変更申請がやっとのことで通ったのは一昨日の記事で報告しました。
今回の目玉はWSPRという小電力でどこまで信号が届いているかというビーコン発生器であるULTIMATE3SというRigの保証認定を得たことです。
複数バンドでWSPRという信号を定期的に送信し、ネット上から世界のどこまで届いているかを世界地図で確認することができます。
 今日は、これを使用するためのアンテナの設置をしていました。
アンテナといっても18階建ての13階の小窓に設置するアンテナですので超小型のものです。
 これまでは、自作の短縮ホイップで運用していましたが、アンテナは自作というポリシーを裏切って今回はメーカー製を使用することにしました。
 理由は、自作ホイップではマルチバンド化が難しいと判断したからです。これまでは、コイルをワニ口でタッピングして手動でバンド切り替えをしていました。
 WSPR発生器は、自動的に設定した周波数を変更して送信しますので、マルチバンドに対応しているアンテナが必要になります。自作も不可能ではありませんが、おそらくいつになっても実際に送信電波が出ることはないだろうと判断しました。
 そこで購入したのはダイヤモンド製の HV5S というアンテナです。本当はコメットの UHV-6 というのが欲しかったのですが、現物がなく入荷もしばらくかかるということだったのでまあいいかといった感じで購入しました。

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50MHz、21MHz、そして先端の7MHzを単独で調整が可能です。

 仕様は7/21/50/144/430MHzで使用できるもので、長さは僅か1.5m弱です。
説明書によれば、144/430MHzは無調整で、50MHz以下の周波数は低めに設定されているので、実際に使用する周波数で使用できるようにエレメント長を調整するように書いてあります。
親切なのは、調整用にエナメル線が添付されており、まずこれを使用して使用目的周波数で長さを調整(長いほうから切ってゆく)し、長さが決まったらその長さに正規のエレメントを切って使用することになっています。
 実際に、先日作ったアンテナアナライザを使用して調整してみました。残念ながら、自作アナライザは30MHzまでしか測定できませんので、50MHzはスペアナと自作リターンロスブリッジで測定しました。
144MHzと430MHzはおまけと思っており、実際に使用することもないだろうと測定しませんでした。

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スペアナとリターンロスブリッジで測定したこのアンテナの共振状況
まず、50MHzのエレメント長を調整し、実際にSWRを測定して、50MHzの低い方で最良になるようにしました。

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自作アンテナアナライザで測定した7MHz、21MHzあたりでの共振状況です。
2バンドで共振が確認できます。

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次の調整は21MHzです。いいあんばいに共振点が得られています。

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次は、7MHzです。これもいいあんばいです。

この状態で7MHzと21MHzを自動切り替えで運用してみたのですが、コンディションの影響もあるのでしょうが、21MHzで全くどこともつながらず、7MHzでもやっとのことでいくつかつながったという状態でした。
ローカルのOMさんからWSPRは10MHzが盛んだとお聞きして、昨日はアンテナ化を10MHz化を考えていました。

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結果として、7MHzを諦め、エレメントを短くして10MHzに共振できないか試してみました。
結果、7MHzの調整エレメント無しの状態で10.5MHzくらいで共振しており、結果として7MHzで50cmほどの調整エレメントが10MHzで3cmほどで共振させることができました。

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7MHzの10MHz化で21MHzへの影響も出ていました。
昨日調整した21MHzのエレメントより少し長めの調整長となりました。
よって、付属の調整エレメントのうち21MHz用と7MHz用は使用せず、付属の調整用エナメル線をそのまま使用しています。

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このアンテナとULTIMATE3Sでの10MHz、21MHzでのビーコン運用での電波伝搬の状況です。
北米とニュージーランドで受信できていることが表示されています。
10MHzの出力は1W、21MHzは0.5Wです。21MHzはコンディションでどこにもつながっていないので地図のキャプチャはしませんでした。
今回のアンテナは7MHzで約1.5mですが、10MHz化したことにより約1mの超短縮ホイップとなってしまいました。
1Wで北米、ニュージーランドまで飛んでるからいいか!といった結果です。

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見えにくいですが、マンションの小窓の手すりに取り付けたアンテナの状況です。
この状態でしばらく24時間運転してみたいと思っています。

伝搬状況は、WSPRNET.ORGで確認することができます。

このBLOGをほぼ書き終えた時に嬉しい速報をいただきました。なんと南アフリカまで電波が飛んで行っていたのです。10MHz、1W、1mの超短縮ホイップです。デジタルの力ではありますが、これだからQRPはやめられません。
WSPR10MHzAFRICA20160718.jpg






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2016年07月17日

変更申請

変更通知書20160708.jpg

今年は、梅雨明けが少し遅くなりそうで、むしむしする日が続いています。
そうした中で当局的には少し明るい話題が届きました。
そう、やっとのことで変更申請が許可され新しい免許状が送られてきたのです。
最初に開局したのは、約48年と半年前ですが、途中波を出さない時期が続きました。
京都には約27年住んでいましたが、子育ても落ち着いた頃の15年ほど前に3コールを取得し、自作とQRP OnAirを始めカムバックしました。JN3XBYです。
3コールを取った理由は、CWで/3を打つのが面倒だったからに他ありません。
この間もオリジナルの6コールは再免許の更新を続けていました。
3年前に東京へ転勤になり、アンテナ環境、住環境は決して良くないながらも、自作とOnAirを細々と続けてきたわけですが、いつまでいるかわからないことと、3つもコールを取るのは気が引けてしまい、/1で運用していました。
しかし、/1にするなら、3コールも6コールも同じだと思い始め、数十年放ってあった6コールの設備の変更申請を行い、これで運用始めることとしました。
それまでの設備は、真空管時代のRigですし、現有もしていませんでしたし。

思い立ったのは、今年に入ってからです。
最近のデジタル通信もすべて加えTSSに保証認定の申請を行ったのが2月の初めです。
TSSの対応については色々うわさも聞いていましたが、急ぐわけでもないしとのんびりと構えていました。
しかし、2か月経っても何の連絡もありません。5月には入りローカルのOMさんから指摘のコメントが来て変更しましたよ!ということであったので、メールにて認定の状況がどうなっているのか質問してみました。
そしたら、なんと速攻で返事がきました。
申請後早い時期に質問を郵送で送ったことになっているが返事がないので逆に待っていたという内容でした。
郵便物はそう多くはないので見逃すはずはないし、その時送ってもらった質問状をメールで送ってくれと頼みましたが、こちらは一切の返事がありませんでした。
いずれにせよ、5月時点での問い合わせで質問の中身はわかりましたので、翌日までに質問への回答、指摘内容の変更を行って回答しました。
ローカルのOMさんとはほぼ一週間遅れで修正を行ったわけですが、ローカルのOMさんは6月に入って免許状が送られてきたという情報を入手しました。
それでも我慢強く待っていたわけですが、なんの動きも感じないので、6月の末に再度メールにて状況の質問を送りました。
返事はありません。
翌週、再度状況の質問をしました。
返事はありません。
その翌週、再々度質問しました。
返事はありません。3回の質問を3週連続で実施したわけですが、何の反応もない中、突然免許状が九州総通から送られてきました。びっくりです。
写真の通り、九州総通の受理は6月21日となっています。
つまり、6月末にTSSに状況質問をさせてもらった時には、保証認定は終わり、申請はすでにTSSの手を離れていたわけです。
3回も質問していたわけですから、認定が終わって総通へ送ったの一言ぐらい言っていただけないのかと、とても残念に感じています。
総通の認許は7月8日になっていますので、2週間半で普通なんでしょう。
と言うことで、2月初めに申請して、免許状の到着まで6か月強の時間がかかりましたが無事変更申請が免許され、今後は6コール JA6IRK/1を中心に運用したいと思っております。
珍局ではありますが、聞こえておりましたらお相手宜しくお願いします。

免許状20160708.jpg

因みに今回変更した設備は、
IC-7100、KX3、FT-817、中華製2バンドハンディ、Ultimate3S、自作機2台です。
CWおよびデジタルモードでの運用になると思っています。

まだ申請しきれていないRigもあるので、再度変更申請をしたいと思っています。次は早いことを期待して。

posted by ja6irk at 13:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 徒然なるままに

2016年06月18日

アンテナアナライザー

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今年は、BLOGへの書き込みもだいぶ少なくなってしまっています。
なんとなく忙しいというか、色々検討を始めて結論までたどり着かないというか、そうこうしているうちにもう半年近く経ってしまいました。
そうした中でまだ結論には至ってはいないのですが、3月ごろに作ったアンテナアナライザーを紹介します。

アンテナアナライザーはこれまでも何度か挑戦していたのですが、満足する性能が得られず完成までは至っていませんでした。
時間がたつにつれグラフィック液晶を使用した製品(高価)が出てくるなど、そちらへの興味もで出したりして、ここ暫くはなにも検討していませんでした。
http://blog.toshnet.com/article/34801969.html
http://blog.toshnet.com/article/35316688.html
http://blog.toshnet.com/article/36362283.html

性能に満足しなかったのはリアクタンス成分まで計測してやろうとの野望が精度が得られず挫折していたのですが、単純にリターンロス(SWR)のみの測定表示でも十分にアンテナの調整には役に立ちそうだということを
下記の製作で判明しました。
最初は、デジタルオシロに周波数スイープの表示をさせるように作ったのですが、グラフィック液晶に表示させるところまで作り上げたら意外と便利に使えるようになりました。
http://blog.toshnet.com/article/87416412.html

それ以降はそのまま止まっていたのですが、昨年あたりからArduinoをいじりはじめ、AVRマイコンでもカラーのグラフィック液晶が簡単に制御できることが分かり何か作ってやろうと思い始めました。
http://blog.toshnet.com/article/127464429.html

そこで試しに、Arduio AntennaAnalyzerで検索すると、色々見つかるではありませんか。
この数年の間に世界のOMさんが色々作られているのをみて、当局もさっそく作ってみることにしました。
特に刺激を受けたのは下記のサイトの資料です。
http://www.hamstack.com/hs_projects/k6bez_antenna_analyzer.pdf

この考え方ををベースに色々なバリエーションで作品が見つかりました。
手に入るカラーグラフィック液晶はドンピシャとはいかないので、当局なりに入手できた液晶をベースに作り上げました。
前置きが長くなりましたが、以降が製作したアンテナアナライザーです。

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まずはブレッドボードで液晶画面を作り、スイープ動作が確認できるところまでを検討しました。

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最近はブレッドボードで予備検討することが増えてきているのですが、その場合、回路図は書かずにいきなりパターン化することが多くなりました。
基板はブルーシートを使って転写し、エッチングです。

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結構きれいにエッチングできています。

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部品実装前

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スモールパーツの実装後

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キーパーツであるArduino(今回は中華製ArduinoNanoを使用)、中華製DDSの実装後

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カラーグラフィック液晶も搭載

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基板状態での動作確認

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7MHz短縮ホイップアンテナの共振が良く測定できています。

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50オームのダミーロードを接続したときのスイープ波形
SWR=1にはなっていませんが、1MHz〜30MHzまでの中での共振点をみるには十分です。

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150オームのダミーロードを接続したときのスイープ波形
ほぼ帯域内でSWR=3を表示しています。

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1MHz〜30MHzの全帯域で7MHzのホイップアンテナをスイープした時の波形です。
7MHz付近でディップが見つかります。しかし、この時のスイープのステップ周波数が粗いのでディップはありますが、SWRの値はよく表示されていません。ディップがSWRの最良点を捕まえていないからです。

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スイープの幅を6MHz〜8MHzの2MHzにした時のディップの様子です。
共振点は、7.03MHz、SWRは1.6と表示されています。

このアンテナアナライザーに使用した液晶はタッチパネル付きですので、種々の操作はタッチパネルで行えるようにしました。従って操作のためのメカニカルなボタンとかはなく、ケース加工も楽でした。

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ケーシングした時の裏面です。
電池には、18650というタイプのリチウムイオン電池を使用しました。3.7Vのものですが、昇圧回路を通して5Vにしています。これで約3時間の連続使用が可能です。
実は、この昇圧回路と充電回路は、スマホなど用に販売されているモバイルバッテリーそのものをバラシて使用しました。2000mAhクラスの一番小さい細長いケースのものを購入してバラしました。
中に入っているI/F基板で充電と5Vへの昇圧ができますので便利です。
電池使用のポータブル自作機器には最適ではないかと思っています。
ただし、リチウムイオン電池は危険な電池ですので真似をされる方は、自己責任でお願いします。


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画面のボタンが余っているのですが、バンド別の帯域を直接選んだり、とかのプログラムを追加しようと思って既に3か月が過ぎています。
またそのうちに追加しようと思っています。

プログラムなど詳細情報は記載しませんでしたが、もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、コメントかメールでもいただければと思います。

posted by ja6irk at 15:20| Comment(7) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2016年04月23日

JP-60 組み立て

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あっと今に4月も後半になってしまいました。
自作もぼちぼちではありながらも、気になっていたことを色々やったりしてはいたのですが、BLOGへの掲載は長いことサボってしまいました。
と、言う訳ではないのですが、先週 JARL QRPの60周年記念キットの組み立てをやりましたのでその結果を掲載することにしました。
このキットは、DC方式受信機で、送信はDSB方式、周波数は21MHz、送信出力は1Wというものです。
既にキットの配布は行われており、組み立てた局もあるのではないかと思います。
当局は、完成基板の組み立て係りを仰せつかったのでお預かりしたキットの組み立てを実施しました。
既に、同じようにJK1LSEさんも組み立てスタートされています。

http://honda.way-nifty.com/pocky/2016/04/jp-60-1f6f.html

当局も一応完成できたので紹介させていただきます。

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基板、部品一式が入ったキットの全容です。
ケース頒布用のケースはこれから製作に入るようです。

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このキットはAFアンプと3端子レギュレータ以外は基本的にICを使用しない設計になっており、部品点数はそれなりに多いキットとなっています。
その意味で、組み立てに失敗しないためには部品の挿入ミスを防ぐことが一番のポイントかと思います。
このキットは組み立て手順的なものは無いのですが、CR類を中心にパーツリストがいくつかの番号で仕切られており、その番号に対応して部品が整理されて袋に入れられています。これは非常に組み立てミスをなくす工夫としてご苦労されたあとが伺えました。

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まず、抵抗類を挿入半田付けしてゆきます。自分が設計した基板では無いので、最初のうちは部品番号に相当する部品位置を基板上で探すのにちょっとだけ苦労しました。部品が埋まってくるとだんだん探すのが楽になってきます。

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コンデンサまでの組み立てが終わりました。ここまで2時間程度です。

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VXO基板を含めて、全ての基板上の部品の組み立てが終わりました。
ここまで5時間くらいでしたでしょうか。

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この後の基板の動作確認をどのようにするか悩みました。
と言うのは、組み立ては完成基板ということでキットのケーシングを含めた組み立てでは無いからです。
それに、まだ正規のケースは入手できる状況にありません。
とはいえ、動作を確認するためにはVRやスイッチ類と接続する必要があります。これらの部品は全て基板上には無く、ケース側に取り付けてリード線で配線するようになっています。
ファイナルのアイドリングや、AGC電圧、Sメーターのゼロ点調整、コイルの調整等をやるためには全ての部品を配線してTRXとして完成させないわけにはいけません。
そこで、手持ちのお菓子の空き缶で丁度良いのがあったので、これにそれぞれの部品の穴あけをして一旦完成品として組み立てることとしました。

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全て部品をお菓子の空き缶にケーシングして完成ささせた様子です。
リード線の長さは、正規のケースの配置を知らないので全て長めにしました。この基板を受け取られた局長さんが足らなくなっても困るので、手持ちのリード線で組み立ててみました。
長めなので、これで動作すれば正規配置で問題なることは無いだろうと想定しています。

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VXOの出力信号です。約1.2Vp-pの振幅が得られています。

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VXOの可変周波数範囲です。キットのマニュアルでは、VXO用のコイルに使用してあるトロイダルコイルの巻き数でいくつかの可変範囲を選べるようになっています。今回は、真中を選びました。
最低周波数は、21.186MHzとなっています。

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最高周波数は、21.234MHzとなっています。可変範囲は48KHzです。

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RITも付いており、ほぼセンターを21.220071MHzとした時です。

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RITのマイナス側が、21.9747MHz。

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RITのプラス側が、21.220360MHzとなっており、ほぼ±300Hzです。ちょっと狭い設計でしょうか?!

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送信出力波形です。50Ωのダミー抵抗を接続しています。
振幅値で22.8Vp-pですので約1.3W出ていることになります。

受信感度ですが、DC方式で心配しましたが、香港やイタリアなどのDXも良く聞こえていました。
免許はありませんの実QSOはできませんが、チャンスがあればDXQSOも可能なリグではないかと思います。

役割は完成基板の作成でしたが、何とか目的は達成できたかと思っています。
空き缶の穴あけを含め、総工数10時間程度の組み立て時間だったと思います。楽しまさせていただきました。
どのような形でお渡しするのかまだわかっていないのですが、せっかく動作しているのでキット事務局のほうにはこのままお送りしようかと考えています。

posted by ja6irk at 16:19| Comment(6) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2016年02月07日

GPSDO トラ技2月号追試

昨年末、新年明けて、色々実験製作してきたGPSDOを紹介させてもらいましたが、1月に発売されたトランジスタ技術2月号に掲載された、JA9TTT/1加藤さん製作のGPSDOを当局なりに追試しましたので報告したいと思います。

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製作したGPSDOが2段重ねになっていますが、上の方が今回製作したものです。下は、先月報告した(2)GPSDO Morion OCXO カウンタ方式になります。ケースのデザインは殆ど一緒にしました。
トラ技掲載の加藤さんのGPSDOにはマイコンは搭載されていませんが、当局は一昨年製作していたものをばらして流用しました。GPSモジュールからの時刻情報などのデータを読み込んで表示させようとの魂胆ですが、まだS/Wは完成していません。

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今回製作した本体の前景です。

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内部構造です。OCXOには5MHzのMTI製を使用しました。これは、SCカット(安定度が高いと言われている)のXTALが使用されており、ebayでも3000円しない価格で販売されています。HP製のGPSDOにも採用されているとの情報があって使ってみました。

5MHz出力ですので、このままでも良かったのですが、他の10MHzと合わせるために2逓倍回路を挿入しています。
逓倍回路は、「トロイダルコア活用百科」に掲載されているダイオード両波整流方式を採用しました。その後BPFとしてaitendoで販売されている10.7MHzのコイルを2つ使用したものを挿入して10MHzの正弦波を作っています。
この10MHzの信号を分配する分配回路は、記事掲載のものを使わさせて貰っています。当局は3分配としました。
10MHzの信号をPLLの比較信号として10KHzに分周する回路は、原型は74LS390が使用されていますが、当局はAVRマイコンATTiny2313のH/W分周回路を利用し、1個のICで作りました。(回路の簡素化です)

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周波数カウンタでのカウントの様子です。


30秒間測定の変動の様子です。これまでに作った他のGPSDOと比較してほぼ同じようになっています。

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MDAで測定した変動の分布です。σで1.53mHzと優秀です。中心周波数も61μHzのずれしかありません。
比較周波数10KHzのPLL方式ですので、OCXOが十分にエージングされていれば短時間で中心周波数に収束しています。

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出力信号の波形です。綺麗な正弦波になっています。無負荷ですので3.2Vp-pとなっていますが、50Ω負荷でも半分の1.6Vp-pが出力できています。


追試と言っても、最も重要なOCXOに違ったものを使用したり、分周器にマイコンを使用したりと一部カスタマイズしていますが、記事にも詳細に書かれているポイントをしっかり抑えればルビジウム信号現にも劣らない高精度のGPS基準の信号源が再現できることがわかりました。
測定器と基準になる信号源がないと、作ったものが本当に高精度で動作しているのか不安になると思いますが、ポイント抑えれば同様な性能が得られるのではないかと思います。
年末の記事で紹介したように、XTAL、OSC、TCXOと比較すれば非常に安定した信号が得られ、中心周波数もGPS基準で得られていますので、通常の用途では十分な基準信号源になるかと思います。

このGPSDOの使用上の最大のポイントは、マイコンを使用していませんのでGPSアンテナはしっかりとGPS衛星を捕まえるように設置することだと思います。
安価で高感度のGPSモジュールも一時期在庫切れになっていましたが、直近では在庫もあるようです。
アナログ放送がなくなり、簡単に基準信号を入手することが難しくなりましたが、この方式はこれに変わるものとして使用できると思います。

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2016年01月11日

GPSDO

今月号のトランジスタ技術でGPS電子工作という特集記事が掲載されています。
当局が、高精度病に罹って色々と大変お世話になっている加藤OM製作のGPSDOもかなりのページを割いて掲載されています。
製作記事のみならず、設計の考え方、部品の調達、参考価格、製作結果の性能の測定結果まで至れり尽くせりの記事ではなかったかと思っております。

当局も、1昨年の夏より色々苦悩の日々を過し、その年の年末にはその経過を振り返った年末の挨拶をさせていただきました。

http://blog.toshnet.com/article/109203991.html

昨年はMDAなる新しい評価装置も入手させていただき、XTALやTCXO、OCXO、ルビジウムなどの周波数安定度の比較を年末に纏めて掲載させていただきました。

http://blog.toshnet.com/article/170983229.html

GPSDOについては、まだあまり整理できていなかったので掲載しなかったのですが、トラ技に特集が組まれたこともあり、当局なりに製作したり、購入したボード等の状況を掲載したいと思います。

一昨年製作したGPSDOは上記URLの通りですが、これは信号源としてルビジウム発振器を使用したものです。
現時点の当局の基準信号源となっています。
これを自分で測定した状況が以下の写真です。

(1)GPSDO ルビジウム信号源(LPRO-101)

GPSDO LPRO-101 表.jpg
秋葉原で購入した中古計測器アダプタのケースを利用して作ったものです。
製作以来、殆ど電源OFFすることなく24時間で動いています。

GPSDO LPRO-101.jpg
自分の信号を周波数カウンタの基準信号として自分自身の周波数を測っています。


自分自身を基準にしていますが、ふらついています。とは言っても、この動画では僅か200μHzです。
測定誤差、基準信号であるルビジウムもふらついていますからこんなものでしょう。

GPSDO LPRO-101 MDA.jpg
MDAでの評価です。自分自身を測っていますが、周波数センターはぴったり合っていません。
と言っても、僅か21.9μHzの差です。
標準偏差も778μHzととても優秀だと思います。

(2)GPSDO Morion OCXO カウンタ方式

これは、OCXOの周波数誤差を周波数カウンタと同じようにカウントして、その後差分を少しずつOCXOを補正制御して周波数を合わせこむ方式です。
周波数カウントはマイコンでも良いのですが、どうも信用ならなくて同期式のカウンタでカウントするH/W方式としました。
と言っても、すべてをカウントするのではなく、最後の8bit分(約±70mHz)だけをカウントしてマイコンに取り込み誤差補正しました。
0.001Hzをカウントするのに1000秒かかり、周期はその倍になっています。
これができるのは、OCXOがダブルオーブンでこれくらいの時間は非常に安定していることで実現できるものです。
制御端子からの周波数可変範囲はもっと広いのですが、そんなに広く制御する必要はないし、制御電圧を作るマイコンのPWM出力が10bitと粗い為、可変範囲を狭くするように回路を組んで対応しました。

GPSDOカウンタ方式表.jpg
まだS/Wは未完ですが、GPSの時刻情報も取り込んで正確な時計としても使えるように表示しています。

GPSDOカウンタ方式裏.jpg

GPSDOカウンタ方式内部.jpg
高精度を実現するのにノイズ源となるスイッチング電源まで組み込んでどうかと思いましたが、電源とアンテナの接続だけで使えるので便利です。今のところノイズ影響はないのかな?と思っています。

GPSDOカウンタ方式.jpg


ルビジウムより動いていますが、これまでの評価では一番安定していると思っています。
周波数が飛び跳ねる現象も見られません。

GPSDOカウンタ方式 MDA.jpg
周波数センターも良く合っていますし、標準偏差も933μHzとルビジウム相当の結果が得られています。

GPSDOカウンタ方式オシロ.jpg
4分配器を入れていますが50Ω終端で約1.2Vの正弦波出力です。

(3)GPSDO Symmetricomボード

このボードは一昨年あたりから中古が出回り始めているようで、これらを使ったサイトはあまり見かけませんでした。
携帯基地局の基準信号源として有名なHPのZ3801などがありますが、これらのボードはそれらの第2世代機ではないかと推測しております。非常に小型になっていますし消費電力も下がっています。
メーカーサイトでは最新式は更に小型になっているのが見られます。
価格も安くはありませんがそれほど高いわけではなかったので、人柱と思いながら購入してみました。
6V動作となっており、アンテナをつなげば10MHzと1PPS信号が出てきます。
何せ情報が少なくて苦労しましたが、何とか動かせました。

Symmetricom 表.jpg
動作状態を示すLEDをつけようと穴を空けてます。基板から線を引き出す必要があります。

Symmetricom 裏.jpg
これは、手持ちの薄型ケースに入れましたので電源は外付けのACアダプタを使用しています。
RS-232Cの出力を持っており、内部の情報をターミナルソフトで読み出すこともできます。

Symmtericom 内部.jpg

Symmetricom.jpg


30秒の動画では約2mHz強の動きしかありませんが、長時間見ていると±5mHz程度は動いているのが観測できます。
サイト情報によればCDMAの基地局の周波数精度は、5×10~8だそうなので、これで十分だと言うことになります。(正しい情報かは?です)

Symmetricom MDA.jpg
標準偏差は1.8mHzなのでそれほど悪くありませんが、中心が鋭くとがっていますので、中心周波数にいる時間が短いと言うことになります。

自分で作ったものより、中古とは言え業務用で使用されているものの方が信頼できるだろうと思ったのですが、これより性能の良いものを見てしまうと若干物足らなくなってしまいます。
普通はこれで十分な基準信号源となりえますからね!中古OCXO 2個分で10~9台の信号源が手に入ります。
これで不満足なのが高精度病たる所以なのでしょう(笑)
このボードには、昨年末に結果としてたどり着いただけで、最初に知っていればこれで終わったのかもしれませんが。


これ以外にも、位相差方式や、PICで作られた海外のカウンタ方式なども検討中なのですが、まだまだ中途半端でご紹介には至りません。
加藤OMも記事で参考にされていたG3RUH局のPLL方式も作ったことがありましたが、安定度は2桁ほど悪かったと記憶しています(当局の作り方が悪かったのでしょう)。
今回、加藤OMは±0.001ppmを実現されていますので、当局もやってみたいと思います。

基準信号は一つあればいいのではないかと思われるかもしれませんが、やり始めるとなかなか奥が深くのめり込んでしまっています。
これ以上の精度を得ようとするとセシウム信号源等と言うことになるかと思いますが、非常に高価で手が出ません。よって、これ以上の性能を測る手段がありませんので、高精度病もこれくらいで完治になろうかと感じ始めてはいます。
アラン分散やら位相ノイズやらも測ってみたいとは思うのですが.......




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2016年01月04日

初仕事

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今年は非常に暖かい良いお天気の3が日でしたが、あっという間に終わりました。
いつまでも謹賀新年というわけにもいかないので、今年の初仕事を掲載します。
一昨年来、高精度病に罹って色々実験を繰り返していたのは、これまでの記事のとおりですが、周波数精度を観測するのには、周波数カウンタがまず必要な測定器となり、当然、これまで持ち合わせていなかった桁数の多い周波数カウンタの中古品を購入しました。(元々、1Hz台まで測れる校正された周波数カウンタを持っていなかったことから、高精度病に罹患してしまったのですが)
Agilent(旧HP)の53181という周波数カウンタです。
ゲートタイム2秒で12桁(10MHzの場合、100μHz)まで測れるものです。
これは、単なる周波数カウンタではなくて、任意のゲートカウントでの(例えばN=100)平均値やMAX、MIN、標準偏差まで計算して求めてくれる優れものです。
普通ならこれで十分なのですが、どうも高精度を扱っている人々は、この53181ではなく、53132、53131というのが標準でよく使用されているらしいと知って、無性に欲しくなってしまいました。
名称も周波数カウンタではなくて、ユニバーサルカウンタになっています。入力が2つになっていて2つの信号の時間差なども測れるようです(当局の場合いらない機能なのですが)。
それ以外の差が何なのかはよくわからず、中古品でも比較的高価なものですが、安物を見つけてポチってしまったのです。
ところが、安物買いの銭失い、とは言ったもので安過ぎたのか(それでも結構高かった)電源は入るものの初期テストでエラーが出て測定できません。ショックを受けてそのままほおってあったのですが、もし2台目も動作不良でも2台あったら1台くらい修復できるだろうと、また同じようなものをポチってしまったのです。
それで写真のように、12桁カウンタが3台にもなってしまったのです。
しかし、ラッキーなことに3台目は動いていました。
その状態で年を越してしまったのですが、今年の初仕事は動作不良の1台の修復でした。
初日早々、中古のゴミだらけの測定器を開いて(といってもこの測定器は主要基板が3枚しかありません)、
まず電源基板の電圧を測って比較しました。異常ありません。でも、と思い、電源基板を入れ替えてみました。
なんと動くではありませんか。
電源基板の出力電圧に差はありません。おかしいなと思い、実装した状態で電圧を測るとなんと-12Vが小さい値になっていました。負荷をかけるとレギュレータがちゃんと動作していないようです。
基板の電圧を測ったときは、基板をはずして無負荷の状態で電圧を測っていたので気づかなかったのです。
レギュレータの回路を基板で追っかけたら、3端子レギュレータでの簡単な回路でした。
-15Vの3端子は沢山持っているのですが、-12Vがあるかと家捜ししたら、1個だけありました。(正月早々秋葉原に行かなくてすみました)
これを交換したら、無事修理完了、動作不良だった53131も無事動作品に変わりました。
2台の53131は古い製品ですので長時間使用されていたせいか、FANの音がうるさくなっていました。こちらもたまたま保有していた同形状(40mm角)のFANがありましたので2台とも交換してとても静かになりました。
一番上が、自分の基準信号を、下2台がルビジウム信号源を測定した値を表示しています。
53131を購入してわかったのですが、周波数カウンタとしては53181と同じ性能であることがわかりました。
ゲートカウント2秒で12桁表示です。更に高い53132はゲートカウント1秒で12桁精度が出せるようです。それ以外は保有していないので良くわかりません。しかし、そこまで必要ないあな〜というのが実感です。
12桁カウンタが3台並ぶと壮観ですが、3台あっても場所を取るだけなのでそのうち2台は処分しようと考えています。
最初に購入した53181がAgilent製で(2台の53131はHP製)新しく綺麗でもあるのですが、残すならやはり悩んだ分もあるので53131かな!?と考えています。
今年の正月の初仕事でした。


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2016年01月01日

2015年12月31日

周波数安定度比較

今年も早いものでもう大晦日になってしまいました。
9月の末に慌てて何か書かなくちゃと生存証明を書いてから、
早3ヶ月です。

今年は、昨年の高精度病から脱却して新しいことを始めようと、前半は、AirBand受信機を作ったり、Arduinoを始めたり、IoTを気取ってWiFiモジュールをいじったり、蛍光表示管でGPS時計を作ったり、タッチパドルを作ったりしてハムフェアまでを迎えたのですが、ある時aitendoでNEO-6Mなる新しいGPSモジュールを見つけて、また高精度病復活となり後半を過ごしてしまいました。

更にお世話になっているOMさんからModulationDomainAnalyzer(MDA)なる面白い測定器を譲っていただき、昨年にも増して深みにはまってしまったというのがこの1年でした。

しかし、頭の中では漠然とわかっていたことが実際に色々とやっているうちに更に理解が深まり、これまでにやったことをあらためて測定を行い整理してみて、なるほど言われている通りだったんだということを知った有意義な1年でした。

何も新しいことはありませんが、実際に測定したデータで比較したものは今まで見たことがなかったので当局的にはとても新鮮でした。

また、周波数カウンタだけでは周波数の安定度は測れないということも初めて知ることができました。

そこで、今年最後の記事はXTAL、OSO、TCXO、OCXO(シングルオーブン)、OCXO(ダブルオーブン)、ルビジウムとNEO-6MというGPSモジュールのクロック出力の周波数安定度比較した測定データを並べてみました。
単なる測定器の写真データの比較ですが、ご参考にでもなればと思います。

俗に色々な文献で周波数の安定度は概略次のように言われています。

XTAL 10~5 TCXO 10~6 OCXO 10~8 ルビジウム 10~10 
セシウム 10~13以上

経時変化はこれの1桁上ほどの変化があるといわれています。
今回は、この初期性能の確認が目的です。

もちろんセシウムは持っているはずもないので確認できていません。

(1)XTAL 10MHz

XTAL 10MHz XTAL.jpg

XTAL 10MHz.jpg
適当な定数で組んでおり調整もしていないのできっちり10MHzではない



カウンタで見る限り、0.1Hz台以下での変動である

XTAL 10MHz MDA 1Hz.jpg
スパン1Hzでの周波数変動のヒストグラムです。これも1Hz以内に見えます。
標準偏差も200mHzを切っていますので、3σ(99.7%をカバー)で600mHz以内の変動ということになります。
結構優秀です。

XTAL 10MHz MDA 10Hz.jpg
スパン10Hzで比較的長時間見ると標準偏差500mHzになっています。それでも1.5Hz以内になります。
1.5×10~7の安定度というところでしょうか!?

XTAL 10MHz オシロ.jpg
1石で簡単に作った発振回路ですが結構きれいな波形が作れてます。

(2)OSC

OSC 12MHz .jpg
いわゆるXTALオシレータです。10MHzに近い手持ちが12MHzでした。130Hzほど低い発振です。


こちらは更に1桁低い動きに見えます。20秒間では約0.1Hz以内の変動です。

OSC 12MHz MDA 2Hz.jpg
スパン2Hzでのヒストグラムです。カウンタの測定値と違って結構動いています。標準偏差は約500mHzですから3σは1.5Hzですから、結果としてはXTALと同じ位の変動は幅となっています。

TCXO 12.8MHz オシロ.jpg
このオシレータの出力波形はノコギリ波に近い波形でした。

(3)TCXO

TCXO 12.8MHz.JPG
昔、秋月で売っていた京セラ製の12.8MHzのTCXOです。
これも20Hzほど低い発振周波数となっています。


これは優秀です。20秒間で10mHz以内の変動幅です。

TCXO 12.8MHz MDA 1Hz.JPG
スパン1Hzでのヒストグラムです。この測定では結構変動幅があります。標準偏差70mHzですので3σで約210mHzの変動幅を持つことになります。
2×10~8の安定性能ということになります。

TCXO 12.8MHz オシロ.JPG
このTCXOも出力波形はノコギリ波に近い形になっています。

(4)OCXO 5MHz(TOYOKOM製 シングルオーブン)

OCXO 5MHz TOYOCOM.jpg
昨年のハムフェアで仕入れたシングルオーブン型のOCXOです。

OCXO 5MHz.jpg
外部周波数可変端子はオープンでの発振周波数です。3.5Hzほど高くなっています。

さすがOCXOです。1mHz以内の変動幅で観測されています。

OCXO 5MHz MDA 1Hz.jpg
スパン1Hzでのヒストグラムです。TCXOと比較して非常に変動幅が小さくなっています。

OCXO 5MHz MDA 50mHz.jpg
スパンを50mHzで観測したときのヒストグラムです。標準偏差は9.6mHzですので、3σは約30mHzの変動幅ということになります。
3×10~8の安定度ということになります。

OCXO 5MHz オシロ.jpg
出力波形は、ほぼ矩形波のようです。

(5)OCXO 10MHz(MORION製 ダブルオーブン)

OCXO 10MHz MORION.jpg
ebayで仕入れたロシア製ダブルオーブンの10MHzOCXOです。日本ではオーディオ用標準信号としての用途で急騰しているようです。

OCXO 10MHz.jpg
これも周波数可変端子はオープンでの測定です。0.2Hzしかずれていません。


これも1mHz台での変動です。カウンタでは、シングルオーブンより動いているようにも見えます。

OCXO 10MHz MDA 1Hz.jpg
スパン1Hzでのヒストグラムです。

OCXO 10MHz MDA 50mHz.jpg
これはスパン50mHzでのヒストグラムです。標準偏差も約9mHzですのでシングルオーブンと大差はありませんが、発振周波数が2倍だということを加味すると変動幅は半分ということになります。

OCXO 10MHz オシロ.jpg
これは正弦波の出力波形です。

(6)ルビジウム 10MHz(FE5650)

ルビジウム10MHz.bmp
昨年調整したルビジウムです。0.0001Hzのずれですが、ここまでくるとカウンタの基準とどちらが正しいのかわからなくなります。


0.0006Hz以内の変動幅です。これも基準の変動との違いは見分けられません。

ルビジウム 10MHz MDA 1Hz.jpg
スパン1Hzでも変動幅が非常に狭く観測されています。

ルビジウム 10MHz MDA 50mHz.jpg
スパン50mHzでのヒストグラムです。標準偏差は1.7mHzです。3σで約5mHzの変動幅です。
5×10~10の安定度ということになります。
使用した周波数カウンタも、MDAも基準発信器はもうひとつのGPS制御されたルビジウム(LPRO-101)で、安定度は被測定ルビジウムと同じ程度と思われますので、これくらいの値になるとどちらの安定度を測っているのかわからないと思います。

ルビジウム 10MHz オシロ.jpg
これも出力波形は、正弦波です。

結論から言うと、XTALは言われているより1桁くらい良いのかな?という結果でした。後は大体言われているような性能でしょうか?!

しかし、どこまでの精度を要求するかにもよりますが、経時変動で1桁は動くことを考えると何か周波数標準がないと不便であることも事実ではないかと思います。
もちろん校正されたルビジウムがあれば1桁狂ってもmHZ台だと思いますので全く問題はないでしょう!
ただし校正されていることが前提となります。
ルビジウムも調整トリマがついており数十mHzは平気で動かせます。
ダブルオーブンのOCXOもたまたま開放で初期値は良かったのですが外部端子で数Hzは動きます。
どのくらいの精度があったのかは今では知る良しもありませんが、昔秋月からカラーバースト信号を基準にした10MHzの基準信号源がありました。実は当局も買っていたのですが、作らないうちにアナログTV放送がなくなってしまいました(笑)
XTALを使った周波数カウンタをいくつか作りましたが、こうしてみると作ったカウンタの基準を正しく合わせられないと何を測っているのかわからなくなります。
昨年、高精度病に罹っていったのはここに原因があったわけです。
周波数カウンタを合わせるのに、カウント桁数の多い周波数カウンタを購入して、それの基準周波数がかなりいい加減でこれを合わせるのにルビジウムをお借りして合わせて、それでもどんどん変化するので結局ルビジウムを購入して、カウンタも12桁まで読めるものだから100μHz台の変動が気になってしまってという泥沼です。
もし、購入した周波数カウンタが10mHzまでしか読めなかったらこれほど酷くはならなかったのではと思っています(笑)
購入した周波数カウンタでそこそこの安定度が得られても、実は正しく測っているとは限らないということもわかりました。
例えば、1秒間のサンプリング(ゲートタイム)で半分が15MHz、半分が5MHzであっても周波数カウンタの表示は10MHzとなるのです。
これを繰り返していた場合、カウンタはずっと10MHzを表示し続けます。

MDAはこの動きを観測できるのです。もちろん、MDAであってもサンプリングタイムには限界がありますから同じようなことが起きていると思います。周波数カウンタにも標準偏差を測定計算する機能があるのですが、一致しません。どちらも目安と思って使用するべきではないかと。
要は、使う側が理解して使わないと一喜一憂してしまうということだと思います。
当局はそれを知りました。

いずれにせよ、アナログTV放送がなくなった後の現在、基準に使える信号が見当たらず困っている局も多いのではないかと思いますが、ルビジウム精度を求めるのでなければ(0.1Hzが合わせられる)、比較的安く入手できる便利なものを見つけました。それが、aitendoで見つけたNEO-6MというGPSモジュールです。

通常GPSモジュールは1Hzの基準信号が出力されていることが多いのですが、このモジュールはスペック外ですが〜10MHz間での信号を出力することができます。
この信号はセシウムを基準とした周波数制御が行われているGPS制御で生成される信号なので基準信号になるのではと思ったのです。

サイト検索をすると当然既に検討された方が多くいらっしゃいます。このモジュールは内部基準が48MHzで動いているので整数分の一ではない10MHzはジッターが多くて使えないとの評価でした。逆に整数分の一の周波数なら使えるのではないかと思いました。例えば、8MHz、6MHz、4MHz、1MHzなど。
それで実施した実験での測定結果が以下の通りとなります。

(7)NEO-6M 8MHz

NEO-6M 8MHz.jpg
そこその周波数精度が出ています。


20秒間の観測では±50mHz程度の安定度です。

NEO-6M 8MHz MDA 50Hz.jpg
スパン50Hzでのヒストグラムです。なんと標準偏差約3Hzです。3σで15Hzの変動幅となります。
GPS制御されていますので中心周波数は6mHz程度のずれですが、基準に使うには変動幅が大き過ぎます。

NEO-6M 8MHz オシロ CLKOUT.jpg
出力クロックは、整数分の一でそれなりに安定しているようには見えるのですが....

NEO-6M 8MHz オシロ.jpg
先のクロックを2じのBPFを通して正弦波化した観測波形です。綺麗な正弦波になっています。

(8)NEO-6M 6MHz

周波数カウンタの写真を撮るの忘れました。


20秒間の動画では、±100mHz以内で変動しています。

NEO-6M 6MHz MDA 50Hz.jpg
これもスパン50Hzでのヒストグラムです。標準偏差2.6mHzを超えています。中心は16mHzのずれですが。

NEO-6M 6MHz オシロ.jpg
同じく、2じのBPFを通した波形です。

(9)NEO-6M 1MHz

NEO-6M 1MHz.jpg
1MHzです。


±20mHz以内の変動に見えます。周波数カウンタの校正用には使えるかもしれません。

NEO-6M 1MHz MDA 5Hz.jpg
スパン5Hzのヒストグラムです。標準偏差490mHzです。中心は2mHzのずれですが、周波数が1MHzということを考えると大きな変動幅だと思います。

NEO-6M 1MHz オシロ CLKOUT.jpg
BPFを作らなかったので出力波形のみです。矩形波です。

(10)NEO-6M 10MHz

IMG_0215.jpg

NEO-6M 10MHz.jpg
10mHz台が観測できます。


最大で±80mHzの変動といったところでしょうか!

NEO-6M 10MHz MDA 500mHz.jpg
スパン500mHzのヒストグラムです。標準偏差は約100mHzとこれまでの中では一番安定しています。3σは300mHzということになります。
中心周波数のずれも129μHzとなっています(たまたまだと思います)

NEO-6M 10MHz オシロ CLKOUT.jpg
クロックアウトです。同期が取れません。これまでの評価でジッターが多いというのはこのことだと思います。基準クロック48MHzで、約1/5でしかも整数分の一ではないためDDSの原理から複数の周波数が見れているのだと思います。しかし、サンプリングの定理からすればちゃんとしたBPFを通せば正弦波は得られるはずです。

NEO-6M 10MHz オシロ.jpg
2次のBPFを通した波形です。BPFはaitendoの10.7MHzのコイルを2つ使いました。
しっかりとした正弦波が出ています。出力も約1.5V(50Ω終端)出ています。

波形だけ見れば8MHzや6MHzのほうがよさそうですが、3σの値でHzオーダーで動いているのを見てしまうと中心周波数はそれほどずれていないので多分大丈夫だとは思うのですが、なんとなく気分が良くありません。

10MHzは、直接出力波形だけを見ると使えないと思うのですが、チャンとフィルタリングしてやれば3σで300mHzしか動いていませんし、中心周波数もかなりの精度となっていますので、周波数カウンタ合わせの基準信号としては100mHzいや10mHz台まで校正できる基準として使えるのではないかと思います。
このGPSモジュールは、aitendoで1980円しかしませんし1個50円のコイルが2個とコンデンサが1個、インバータロジックICが1個、抵抗が4個全部で基板を入れても2500円もかからないでしょう!
GPSモジュールのパラメータ設定にUSB-シリアル変換モジュールがいるので持ってなければ後500円位かかりますが、いずれにせよ安価で手軽な周波数基準信号が手に入ることになります。

回路図は掲載しませんでしたが、希望の方がおられましたら送付したいと思います。

校正の必要は全くありませんので、ローカルさんがいなくてもいつでも基準信号が手元にあることになり便利だと思います。もちろんGPS方式ですから、アンテナは窓際か窓の外に出す必要がありますが、合わせるときだけですから、何とかなるでしょう。

しかし、何故10MHzだけが良い結果になったのかはわかっていません。GPSモジュールのメーカーの人だけが知る原理があるのかもしれません。

もっと精度の高い基準の検討も色々やって入るのですが、まだこれといった結果が出ていないのでもうしばらく病気は続くのかもしれません。
早く治らないと、次の自作もできないし、ここしばらくOnAirもできていないのでとか思いつつ2015年もあと少しとなりました。
ここまで読んでいただいた方々には、かなりの長文でしたのご苦労をおかけしました。
御礼を申し上げます。
来年は長文にならないようにもう少しBLOGのアクティビティもあげられればと思います。
2015年、大変ありがとうございました。
来る2016年も宜しくお願い申し上げます。

【追記:2017.9.14】
(10)NEO-6M 10MHzの回路図について、各局さんからお問い合わせをいただいておりますので、手書きで申し訳ありませんが、すでにお送りさせていただいたものと同じ情報を下記に掲載いたします。
ご参考になればと思います。

GPSモジュールはaitendoで売っているNEO-6Mを使用しているものが使用できます。
最近では、アマゾンで1000円もせず売っている「Arduino TE518対応 飛行制御 EEPROM GY-NEO6MV2 NEO-6M GPSモジュール」あたりが、安くてパルス出力も端子で出ていて改造が必要なく便利だと思います。
当局は、ALIEXPRESSで同じものを2個、もっと安い価格で入手しましたが、2個ともはんだ付け不良で不動作でした。半田の手修正で2個とも完動品となりましたが、リスクがあることを認識する必要があります。
また、パルス出力10MHzはスペック外ですので自己責任でお願いします。
パルス出力10MHzの設定には、NEO-6Mのメーカーが提供しているツール(無料)での書き込みが必要になります。
書き込みのためには、USBシリアルのI/Fも必要になります。
このあたりの手順も自己責任でお願いいたします。

IMG_0397.JPG

posted by ja6irk at 18:55| Comment(12) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2015年09月30日

9月も終わり

DSC01608.jpg

明日は、あっという間の夏が終わって、秋の気配の10月です。
Wifi IoTから何もやってなかったかというと、逆に色々やってはいたのですが、なかなか成果の上がるものはありませんでした。
その中で、自作はやっていますよ!という証明でとりあえずケースまで入った自作品を2つ掲載します。
一つは、ウクライナ製VFD管を使用した、GPS同期時計です。
1秒のくるいもありませんし、停電しようが、昼間電源を切っていようが、電源をONすれば数十秒ですぐに自動で正しい時刻を表示してくれます。
シャックの標準時計として作りました。



もう一つは、タッチパドルです。
去年のハムフェアで試作品が、今年のハムフェアでは製品が販売されていたタッチパドルをaitendoで売っているタッチ用ICを使用して作ってみました。デザイン的にも製品を意識したものにしてみました。

DSC01610.jpg

以上、8月、9月の自作品の一部です。中身がなくてすみません。
posted by ja6irk at 23:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 徒然なるままに